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88 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 13 58 07 ID RSMoU2v6 池田ァ「だいたいキャプテンのあの胸は反則だし。大きいだけじゃなくて形も…」 唯「そうだよね…」 あずにゃん「澪先輩より大きいんですよね…」 撫子「お兄ちゃん、やっぱり大きい方が好きなのかな…」 「「「「……はぁ~(自分の胸と見比べて溜息)」」」」 89 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 20 31 50 ID VyP6GAMY セイバー「胸の大きさなんて、大きさなんて……orz」 ビリビリ「わ、私はまだまだ大きくなる予定よ」 かじゅ「胸の大きさか…モモも大きかったな…」 部長「まあ、あの子も和も胸の大きさは人並み以上だからね」 ビリビリ「待ちなさい。あんた達二人も大きい方じゃないの?」 律「不公平だ。なんでなんで…」 90 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 20 37 27 ID HPm6mRsE かじゅ「わたしと久は公式データでは普通だぞ?モモは私よりもっとこう、丸くてやわらかくて…うぅ…」 部長「部長三人でお風呂に入ると美穂子だけ大きいからバランスが悪かったわねぇ…」 池田「あ、あたしがいるからキャプテンはバランスが取れてるし!」 とーか「ちなみに鶴賀の部長は加治木さんではありませんわ」 91 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 20 44 33 ID VyP6GAMY ライダー「胸の大きさですか…(ふじのんの胸の大きさはどうだったか思い返してる)」 92 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 20 53 11 ID jeqV11uI ヴァン「あんなもん脂肪の塊だろ。どーでもいい」 カギ爪「何を言うのですかヴァン君。おっぱいは素晴らしいものです」 ヴァン「あ?」 カギ爪「おっぱいはそこにあるだけで私達を元気にしてくれます。気分をよくしてくれます。疲れたときもおっぱいの事を思うだけでまた頑張れます。 おっぱいは私達にたくさんの喜びを与えてくれると、そうは思いませんか。ねぇ、ヴァン君」 ヴァン「いや、別に」 94 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 20 59 19 ID nl98CJRs 律「胸か…キャスターさんは結構ありますよね」 キャスター「私は律ちゃんの小さくて可愛い胸、好きだけど?」 律「そ、それはどうも。でも、小さいって…そんなハッキリ言わなくてもいいじゃないですか」 キャスター「なあに? 私が好きだって言っているのに、それじゃあ不満?」 律「いいえ! 滅相もございません!」 キャスター「そうよね。肝心なのは大きさよりも感度よね。ホラ、ここをこうすると…」 律「わっ、きゃんっ」 キャスター「ちゃんと感じてくれるものね」 律「はあ、はあ」 キャスター「それじゃあ、今日は胸を中心にいくわね」 律「あっ、そこ、ダメ、アッ――――――――!!!」 ムギ「今夜は長くなりそうね。アーニャちゃん、予備のバッテリー用意しておいて」ジー アーニャ「了解」 95 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 22 17 24 ID C1EbcGzU 真宵「胸は揉むと大きくなると言いまs」 唯「誰か揉んで!!あずにゃん!あずにゃん揉んで!!」 梓「な、何言ってるんですか!!」 池田「今なら私の胸好きなだけさわり放題オッケーだし!!」 船井「誰が得すんねん」ボソッ 池田「んだとこらああああぁ!!」 撫子「も、揉むって…」サワサワ ビリビリ「…」サワサワ 撫子・ビリビリ「!」(目が合う) 撫子・ビリビリ「…///」 ムギ「なにここ天国?」 神原「まぁ、天国に近い場所には違いないな。いろんな意味で」 真宵「ま、これが本当ならりちゅさんは今頃ダイナマイトボディになってますけどね」 唯「あぁ…なんだ、迷信か」 池田「絶対嘘じゃん。がっかりだし」 律「お前ら…ちょっと失礼すぎないか…?」ハァハァ キャスター「ほーら、逃げちゃだめよ律ちゃん♪」 96 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 22 44 07 ID giPef5KI 小萌「胸なんて…胸なんて飾りなんですぅー!!」 マリアンヌ「よしよし、よしよし」 リリーナ「大丈夫ですよ、きっと成長しますよ!きっと…(私のはどうなのでしょう…)」 小萌「ううっ…わたしは…」 ライダー「おや、ここにはあんな子供もいるのですか?」 セイバー「いやコモエは子供では…それにしても…」ジーッ(胸を見て) ライダー「その視線はなんですか?」
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65 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/19(火) 21 53 32 ID GG7ctxmU ゼクス「お前達はどこにするのか決めたのか」 ヒイロ「俺は風紀委員にした」 ごひ「トレーズと戦えればどこでもいい!」 デュオ「俺は五飛と組むよ。見張りが必要だろ?」 ゼクス「では私は特攻野郎、デュオと五飛は伊達軍団だな。 そうすればちょうどMSパイロットが等分できる」 デュオ「ま、それで問題ないな」 ヒイロ「ああ」 ごひ「俺は一向に構わん!」 66 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/19(火) 23 21 25 ID ayPkefX2 唯「むー」 あずにゃん「どうしたんですか、唯先輩?」 撫子「ずいぶん神妙な顔してるね」 唯「どこのチームに入ろうかなって思ってさ。あずにゃんと撫子ちゃんはどうするの?」 あずにゃん「私は唯先輩と同じところにしようかと」 撫子「撫子は特攻かな。戦場ヶ原さんや真宵ちゃんに、紬お姉ちゃんがいるから」 唯「むむむ…よーし決めた!」 あずにゃん「どこにするんですか?」 唯「ムギちゃんのところ!」 あずにゃん「その心は?」 唯「お菓子いっぱい食べさせてもらえるから!」 撫子「唯お姉ちゃんらしいね」 あずにゃん「もう少し真面目にやってくださいよ」 唯「えー」 セイバー「士郎、貴方はどうするのです?」 士郎「俺は…伊達さんのところに行こうと思ってる。間接的にだけど伊達さんには世話になったし」 セイバー「そうですか…(そういえば伊達軍にはミホコがいましたね…まさか…)」ゴゴゴゴ… 士郎「せ、セイバー?」 セイバー「何でもありませんよ、何でも」ゴゴゴゴ… 士郎「(何だ、何だってんだ?)」 【現在の勢力一覧】 《風紀委員》★バサカ ◆セイバー ◆幸村 ●トレーズ ●ヒイロ ▲美琴 ▲部長 透華 小萌 リリーナ カイジ 黒桐 かじゅ 当麻 《特攻野郎》★ホンダム ◆光秀 ◆アチャ ●刹那 ●レイ ●ゼクス ▲神原 ▲ムギ 真宵 ひたぎ 唯 梓 撫子 船井 《伊達軍団》◆筆頭 ◆片倉 ◆ライダー ◆キャス ●デュオ ●五飛 ▲律 ▲藤乃 ▲士郎 美穂子 池田 《未所属》●アーニャ ●マリアンヌ ●ヴァン ●ファサリナ ●プリシラ? ▲海原 ▲妹E ▲妹F ▲R妹 C.C. ユフィ 玄霧 安藤 67 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/20(水) 00 13 50 ID .JDgD7Yw 男A「ファサリナくんはどうするつもりですか?」 ファサリナ「そうですね…今回は風紀委員に入ろうかと思います」 ヴァン「よし、じゃあ俺も(人数が多い)風紀委員に…」 とーか「あなたの魂胆はすでにお見通しですわ!風紀委員はもう戦力が揃っていますから、別のチームに入りなさい!」 ヴァン「はぁ?なんでだよ!別にいいじゃねぇか!」 プリシラ「まあまあヴァン、私達は伊達さんのチームにでも入りましょうよ」 ヴァン「……ああもうわかったよ、そうすりゃいいんだろそれで!」 アーニャ「私は風紀委員」(海原は妹Fを追っかけている、そして刹那や美穂子が別のチームにいる今がチャンス!!!) C.C.「では、影の薄い我々は伊達軍に入ろうか」 玄霧「そうですね、これで一般枠も満遍に行き渡りますね」 ユフィ「なんだか余りモノを在庫処分されたようであまりいい気はしませんけど」 安藤「まあ、僕はなんでもいいですよ」 【現在の勢力一覧】 16《風紀委員》★バサカ ◆セイバー ◆幸村 ●トレーズ ●アーニャ ●ヒイロ ●ファサリナ ▲美琴 ▲部長 透華 小萌 リリーナ カイジ 黒桐 かじゅ 当麻 14《特攻野郎》★ホンダム ◆光秀 ◆アチャ ●刹那 ●ゼクス ●レイ ▲ムギ ▲神原 真宵 ひたぎ 唯 梓 撫子 船井 17《伊達軍団》◆筆頭 ◆片倉 ◆ライダー ◆キャス ●デュオ ●五飛 ●ヴァン ●プリシラ ▲律 ▲藤乃 ▲士郎 美穂子 池田 C.C. ユフィ 玄霧 安藤 《未所属》●マリアンヌ ▲海原 ▲妹E ▲妹F ▲R妹 マリアンヌ様が面倒くさがりそうだ。海原君と妹達をどう仕分けるか?
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Moonlight Black ◆hqt46RawAo ■ 『少年:届かぬ救済:橋の終わり~民家の庭』 ■ エリアD-4。 デバイスにはそう記されてあった。 橋を渡りきり、辿り着いた民家の庭で士郎はいま、木製の椅子に腰掛けて軽い休息を取っている。 アオザキは『他の参加者の位置を確認してくるからここに居ろ』と言ったきり中々戻ってこない。 福路美穂子は今、民家の中で着替えを物色している。 士郎は一人、月を見上げながらこれからの事を考えていた。 しかし、先のことなど霞が掛かったように見えてはこない。 アオザキの正体とは? 己の魔術の本質とは? 白井黒子は果たして無事に居るのか? どれも考えたところで答えの出ないことばかりだ。 全ての事態が自分を置いて進行しているような感覚、どうにも気に入らない。 「衛宮くん、おまたせしました」 そんな時、声が聞こえたので顔を上げると、福路美穂子が民家から出てきた所だった。 「ん……ああ、そうか」 福路は動きやすさを考慮したのか、小脇にジーンズとワイシャツを抱えていた。 けれども、服装は士郎の制服を羽織ったままで、以前と変わっていない。 「ごめんなさい……もうちょっと借りていいかな?」 「そりゃ、かまわないけど」 その姿を改めて直視して、何か言葉を掛けた方がいいのだろうかと考えたとき、萎れたように垂れ下がっている左袖を見てしまい。 一瞬、言葉に詰まる。 その視線に気が付いたのか、福路は左肩を右手で触りながら、「気にしないで」と言うように苦笑いを浮かべていた。 片腕の身では、すぐ着替える事にも難儀するのだろう。 落ち着いて身体を休められる場所に辿り着いてから、ゆっくり着替えるつもりのようだ。 椅子は庭に幾つかあったのだが、福路は座らなかった。 士郎の目の前に立ったまま、先程までの士郎に習うように、ぼんやりと月を見上げている。 その瞳はどこか憂いを湛えているようでもあり、またどこか笑っているようにも見えた。 二人の間に、暫しの沈黙が流れる。 士郎が座る事を促そうかと迷っていたときだった。 「衛宮くん。これ」 突然、士郎へと福路が手を差し出した。 目の前に広げられた少女の手の平。 そこには黒くて丸い帯の様なものが乗っていた。 「……これって、眼帯か?」 士郎はそれを受け取って、まじまじと見たが。 やはり、その様にしか見えなかった。 当たり前のことだが福路はもちろん、士郎も眼に怪我など負っていない。 疑問を表情に浮かべながら士郎は美穂子を見上げた。 「そう。これには――凄く強くて、どもまでも真っ直ぐだったある男の人の魂が篭っているの。お守り見たいな物だと思って」 「俺に、渡していいのか?」 「貴方に……持っていて欲しい。常に強く在るという事。私には出来なかったけど……衛宮くんになら、きっと託せる」 福路はどこか影のある微笑を浮かべながらそう言って、士郎から数歩だけ距離を置いた。 「それに……わたしにはまだ、これもあるから」 そう言って、福路はディパックから折れた日本刀を取り出して、掲げて見せた。 宙に浮かび上がった白銀の刀身が、月光を反射して淡い輝きを放っている。 少女はそれを、儚い微笑を浮かべながら見つめていて――。 そんなとき、不意に風が吹く。 穏やかな夜風に福路の髪がふわりと浮いて、流されるままに踊った。 襟足辺りで切り揃えられた後ろ髪が上下に揺れて、その下に隠れていたうなじを少し覗かせた。 刀を握る彼女の右手が、舞う髪を押さえる為に耳元へと伸びていき。 ガランドウの左袖はただ静かに、独りでにたなびくのみ。 士郎はその光景に、何故かは分らないが、 目の前の少女が消えていくような錯覚に囚われていた。 まるで、今このとき士郎の手元に残った眼帯が、福路美穂子の遺言であったかのような。 そんな予感に駆られて――ー。 「……お前は死ぬのか……福路」 気が付けば、そんな事を聞いていた。 福路はその突拍子も無い言葉に、はっとしたように一瞬目を見開いて。 まるで悪戯がばれてしまったかのような、小さい苦笑いを頬に浮かべる。 そして、士郎の顔を横目で見。 「それは…………私にもわからない。でも、私はまだ生きている。それは確かなことでしょう?」 そんなふうに、とぼけてみせた。 彼女は肯定はしなかったが、やはり否定もしなかった。 「いったい、何があったんだ? どうして、そんな……!」 その問いに対して、福路は暫く答えない。 先程、福路は自分の身の上を士郎に語ったが、重要な部分は全て抜け落ちていた。 福路はそもそも天江衣と同じ世界の人間である、魔術師でも、超能力者でもない事は明らかだ。 にも関わらず、あの瘴気や失われた左腕、錯乱していた事情、普通の人間としては在り得ぬ不可解の数々。 それについて福路は明確に語らなかった。 けれども、何か壮絶な出来事があったことは想像に難くない。 彼女の状態が平常でない事など誰の目にも明らかだ。 「私のことは……気にしないで……」 やがて福路は小さな声で言って、右手を下ろし俯いて、その表情は見えなくなった。 けれど佇まいが「負担になりたくない」と語っているようで。 士郎は少し悲しくなる。 きっと彼女は士郎に心配させたくなくて、多くを語らなかったのだろう。 だがそれは違った見方をすれば、「士郎にはどうしようもない事情である」と彼女は思っている訳だ。 脳裏に、アオザキの言葉が思い起こされる。 ――アレはもう、おまえにはどうしようもない。 それを振り払うように、士郎は言おうとした。 「俺は……福路のことも……!」 だがそこで、またしても言葉に詰ってしまった。 果たして、己はどんなセリフを続けるつもりなのか、と。 士郎は自問する。 『生きていて欲しい』とでも言うつもりか。 それとも、『助けたい』とでも、『救いたい』とでも言うつもりだったのか。 いつもなら断言できた事柄なのに、今は何故か言葉が出てこない。 その理由は――。 『士郎さん…約束…忘れないで…』 『全てを背負うのは不可能であると自覚しろ。』 「…………っ」 揺れている。 士郎の中の根幹を為す何かが。 ありえない筈の優先順位が――生まれようとしている。 「福路にも……死んでほしくない……」 やっと言う事が出来たのはそんな当たり前のこと。 偽善者のセリフだった。 こんな事が言いたかったんじゃない、という思いに駆られて。 「違う、そうじゃないんだ。俺は福路も――」 もう一度、言い直そうとしたとき。 「――駄目」 呟かれた小さな、けれどハッキリとした拒絶の声に、士郎の言葉は断ち切られた。 「駄目……」 福路は俯いたまま、ポツリと繰り返した。 「ねえ……衛宮くん。あなたは、一体誰を守りたいの? 誰を救いたいの?」 「俺、は……」 士郎はそれに、なんと答えてよいのか分らない。 己は何を救いたいと願い、何を救わないのか。 そんな事はもう明白だ。 「一番大切なものを、見失っちゃ駄目。 私なんかにかまっていたら、私を助けようなんて考えていたら。 あなたはきっとまた、後悔を増やす結果になる……」 セイバーのように、と。 言外に言われている気がした。 それと同時に、約束を交わした一人の少女が死んでいく様を幻視する。 「俺は……」 口を開けど、やはり続く言葉が出てこない。 弱弱しく、意志の見当たらない声を出す事しか出来なかった。 「私は……!」 対照的に、福路の口調は一層強いものになっていく。 「私はもう、誰かの重荷になんてなりたくない! 私のせいで……誰かが死ぬところなんてもう見たくないの……。 だから、あなたには……あなたにとって一番守りたい人を、何より優先して欲しい……。 私なんかを助けようなんて……思わないで……」 悔しかった。 言葉を返せないことが。 「全てを背負って戦うことなんて、誰にも出来ない。 みんなみんな助けるなんて、そんな事はきっと出来ない。 あなたには、あなたのやるべき事があるはず。 優先順位を……間違えては駄目……」 歯がゆかった。 俯いた少女の震えた声を遮る事が出来ない、己の不甲斐なさに。 「だって……あなたが守りたい人は――」 なによりも、その言葉が――。 「あなたの大切な人は、まだ生きているのでしょう?」 俯いたまま、まるで自分は生きていないとでも言うように。 その言葉を言わせてしまった事が、なによりも士郎自身を責めた。 「ありがとう。でも、ごめんなさい」 福路は顔を上げる。 「あの時、貴方の言葉で、わたしは大切な事を思い出せた。そして、ここに戻ってくる事が出来た。 それで十分助けてもらってる。わたしは救われているから……」 だからもう十分なのだ、と。 これから先、自分の身がどうなろうと後悔はない、と。 福路は微笑んでいた。 「今度はわたしが……誰かを救う番なんだと思う」 悪性と善性を両眼に併せ持つ少女の微笑み。 そんな幻想的な光景が、月光に照らされて輝いている。 淡い輝きを放つブルーの右目の隣で、今までずっと閉じられていた左目が開かれていた。 まるで煉獄の炎を思わせるかのような、真紅の瞳。 この世全ての悪性を孕む。 それは何よりもおぞましい瞳であった。 それに、士郎は一瞬ぞっとする。 紅の視線が、少女が背負うものの大きさと、言葉よりも明確な事実を突きつけてくる。 誰かを助ける事を望み、己が救われる事を望まない。 士郎はその在り方に、自分と似たモノを感じたからこそ。 もう自分が何をいっても無駄である事を悟らされた。 (…………) だが、最も士郎の気を引いたのはそんなモノではない。 紅の左目の隣では、蒼の右目も未だ月光を反射して輝いている。 少女がまだ生きていることを証明している。 どこまでも澄み切った海面のような、群青の瞳。 見つめる全てを包み込む。 それは何よりも暖かな瞳であった。 (そう、だったよな……) そこに士郎は、かつて一度だけ聞いた、救いを求めるか細い声を思い出していた。 『たす……けて……』、と。 縋るような少女の声。 果たしてそれに、己はなんと答えたのであったか? (そうだったよな……くそッ!! 馬鹿か俺は……!) 士郎の全身に、高熱を伴った怒りが湧き上がる。 無論自分に対しての怒りだ。 己は今まで何を忘れていたのか。何を迷っていたのか。 士郎はやっと後悔する。そして決断する事が出来た。 迷う事などもう遅い。とっくにそんな段階は終わっていたのだ。 既に自分は、目の前の少女に対して言ってしまっている。 『必ず助ける』と。 だというのに、自分は今更なにを責任逃れしようとしているのか。 そも、全てを救うことこそが己の理想だったはずなのに――。 「だからあなたは――」 「――駄目だ」 だから、同じセリフで遮ってやった。 ようやく、士郎は自分を取り戻す。 『正義の味方』である、衛宮士郎を取り戻す。 「駄目だ、俺は納得いかない」 ピシャリと、言ってやった。 士郎の一転した強い口調に、福路はすぐに言葉を返す事が出来ない。 ここぞとばかりに畳み掛ける。 あの屋上で言ったように、もう一度。 「福路も俺達と一緒に、生きてここから帰るんだよ。もし福路が諦めそうになっても、俺や俺の仲間が無理やりにでも助けてやる」 自分勝手なエゴを、叩きつけてやった。 それに一瞬だけポカンとした福路であったが、 数瞬後、怒気すら滲ませた言葉を返してきた。 「衛宮くん! あなたは私の話を……!」 「全てを背負うことは出来ない……か? 悪いけど、俺はもう背負ってしまってるんだ。今更になって下ろす事なんか出来ないな」 切り返しにも、淀みは無い。 一度心を決めてしまえば、先程までが嘘のように言うべき事が明瞭になった。 「……っ! それでも……それでも私は……!」 ――誰かの重荷になりたくない。 その言葉にも既に、ぶつけるべきセリフは用意してある。 それは士郎が知る限りとびっきり効果的な、こういう時に何よりも有効な殺し文句だ。 士郎が未だに忘れられない、何よりも脳裏に残るあの声、あの言葉。 それを士郎はこの時、自然に選び取っていた。 「『誰かの重荷』なんて。それも、もう遅い」 ただし泣き顔ではなく、今は笑顔で断言する。 「だって福路が死んだら、俺が悲しむだろ」 福路は一瞬、これ以上無いくらい呆気に取られていた。 「……っ!? なにを言っ――」 「もううるさい。福路の事情なんかしるかっ! 俺は白井も絶対助けるし、福路だって絶対に助ける。 例え事情を話してくれなくても、無理やりに助けるし、無理やり俺達と一緒に元の世界に帰らせてやる」 漸く意味が通じた様子の福路にむかって畳み掛けるように言ったあと、士郎も少し気恥ずかしくなって視線を逸らす。 やはり自分にはあの少女のように、連呼する事など出来ないようだ。 なんと言うか照れが半端ではない。 暫し、沈黙が流れた。 福路の様子は推し量る事が出来ない。 ただ士郎にとっては間違いなく、気持ちのいい沈黙でなかった。 突然、隣から聞こえてきた小さな笑い声に、士郎はおずおずと視線を戻す。 「……会ったばかりの女性にむかって……よくもまあ……そこまでの事が言えるのね……」 福路は心底呆れたように、苦笑いを浮かべていた。 その様子に士郎も少し安心したような、疲れたような、複雑な心境に陥ってしまう。 「残念だったな。こんな変わり者に出会った事が運の付きなんだ。あきらめてくれ」 そのぶっきらぼうな口調が更に可笑しかったのか、福路はもう一度軽快に笑い。 士郎に呆れ果てたからか。言い合うことに面倒になったのか。 それとも、もう何を言っても無駄と悟ったのか、諦めの口調で言った。 「もうっ……衛宮くんは頑固な人ね……」 「福路もな……」 言葉通り、どっちもどっちだと士郎は思う。 「うん。やっぱり……ちょっと羨ましいかな……」 「えっ?」 聞き返した士郎に「もういいわ」と言って、福路はもう一度だけ微笑んだ。 それは今まで見た事の無い笑みだった。 儚さも影も無い、一切の不純物を含まない笑顔。 それが福路美穂子にとって心からの、本物の微笑みなのだろう。 「もういいです。衛宮くんの好きなようにしてください。私は私の好きなようにしますから」 「ああ、望むところだ」 士郎は力強く頷いてみせる。 結局、事態は何一つ進展していない。 士郎には福路の事情を聞き出す事は出来なかったし、解決策などまだ何所にも見当たらない。 福路の心根も、きっと話す前と何も変わっていないのだろう。 けれど、これこそが第一歩なのだと。 花が咲いたような、その笑顔を見る事が出来たという事実にこそ、きっと価値が在る、と。 士郎にはそう信じる事が出来た。 強引に、意図を汲まずに、それでも――これが自分の理想、 『誰かを救う』ということなのだから。 などと、士郎が考えていたとき。 福路も少しの間は笑っていたのだが。 「けどね、衛宮くんっ!」 そこで急に、怒ったような声を上げた。 じぃっと、士郎の目を覗き飲んでくる。 「な……なんだ?」 そして、蒼紅のオッドアイに正面から見つめられ、 思わず身構えていた士郎に向かって。 「浮気は、駄目よ?」 福路はウインクついでに、左目を閉じてそう言った。 今度は士郎が呆ける番だった。 「…………はあ!? なっ!? いやっ俺はっ!」 一瞬だけ、少し顔を赤くして、 しどろもどろになる士郎であったが。 悪戯っぽくクスクス笑う福路を見て。 自分は今、からかわれているのだと、彼は思い知るのであった。 ■ 『魔術師:根源に至る道2:民家の裏手~民家の庭』 ■ その時、荒耶宗蓮は二人から10メートルも離れていない民家の裏手で、音も無く佇んでいた。 自らの眼で同行者を監視するでもなく、しかして周囲を観察するでもなく、ただじっと立ち尽くしている。 一見無駄に無防備を晒しているようでいて、荒耶はこのとき監視、観察、警戒、哨戒、計略その全てを同時にこなしていた。 そう、この島における事象の全ては荒耶にとってすれば『見る』までもないのだ。 同行者の様子など当然容易に、この島に存在する大半の人間の現状すら、意識下で把握する事が可能である。 『見る』のではなく、『感じ取る』。 壁に背を付け、目蓋を閉じて、気配を消して、世界に溶ける。 彼はこの時、世界と一体になっていた。 今更、さして驚くべきことではない。 なぜなら、この世界の基盤となる結界を構成したのは紛れも無くこの男だ。 その事実は男が一度死した後にも違える事はありえない。 身体適合率の低下によって、たしかに数時間前までは己の魔術と半断線状態に追い込まれていた。 たが今はもうマンションに到達し、更に数時間の期間を経て、己と己の魔術との結びつきの大半を取り戻している。 残る問題点は身体能力の弱体化ただ一つと言ってもいいだろう。 未だ、この地に存在する人間は一つの巨大な魔術の中に取り込まれている。 つまりは荒耶の体内にいるも同義ということ。 完全ではない故に、多少の精神集中を余儀なくされるものの、荒耶の感知はいまや相当の広域に及びつつあった。 ――目標たる両儀式の姿は西南に在り。 現在は同行者たるデュオ・マックスウェルと共に、更に西へと移動している。 既に主催者との義理を気にする必要も無い。 そろそろ己の生存も知れる頃だろうが、もう後は邁進し、根源へと至るのみだ。 完全で無いが魔力行使には申し分のない己の身体適合率。異界の発生源であり、使える戦力でもある衛宮士郎。その魔力ブーストとなる福路美穂子。 既に最低限の手札は整った。 あと一つ、準備するべきは場の状況のみだろう。 衛宮士郎の固有結界を両義にぶつけられる場。 それには善悪、正誤、敵味方入り乱れる混沌とした鉄火場が好ましい。 小川マンションはかなり有用であったが、既に倒壊してしまった以上は自ら場を作り出すほかあるまい。 その為にやはり、重ねて利用するべきは周囲の人間。 荒耶は両義以外の参加者の立ち位置も入念に心得ている。 要となる者は――やはりルルーシュ・ランペルージとその一団、現在進行形で両義を利用せんと立ち回っている者達だろう。 狡猾なルルーシュと、奴と共に動く三人の少女は実に剣呑だ。抱えている波乱の種も申し分ない。 現在は、両義とそう離れていない南西にその集団は在る。 そこに加える火種としては――ここから南方に、更に南下する三人の少女の姿が在る。 白井黒子、天江衣、浅上藤乃。 いずれもルルーシュ達の正体を心得ている。 薬局から北上する阿良々木暦とグラハム・エーカーはそれ以上に有用だが、東側に向かうという意志が問題だ。 上手く利用出来ないようならば、接触を避けるのも一つの手であろう。 もちろん利用できるならばそれにこした事はないが。 以上が島西側に存在する参加者達の現状。 対して東側は未だ混乱が収まらない厄介な様相を模している。 東に居る危険人物――織田信長も一方通行も、混乱を発生させるという面においては郡を抜いて有用だ。 強力過ぎる性能ゆえに、如何せん不確定要素が大きすぎるのが問題だが、こちらから迂闊に手を出さなければ問題なく利用できる。 今のところ東側へと移動する気配は無いが、接近を確認した場合にはなるべく早い内に策に組み込む方針だった。 とりあえず、東側に存在する参加者の中ではその二名が再重要であり、おそらく他は考慮せずとも良いだろう。 後の者は距離的にも能力的にも抱える事情としても、生み出す状況に組み込むのは少し難しい。 ――と、そこまで荒耶が考えた時だった。 預かり知らぬ気配に意識を飛ばした所、その正体を感じ取る。 (ふむ……憩いの館の領域にアリー・アル・サーシェス……。 リボンズの息がかかっている……ならば、近づくのは危険――いや、上手くすれば有効に使えるやも知れぬか……) サーシェスは常識や良識を知った上で十分な実力を持った危険人物だ、 リスクは在るが上手く接触できれば、強力な協力者となるかもしれない。 「――――」 そうして全ての参加者に一通りの評価を付け、 漸く荒耶宗蓮は眼を開き、意識を己が身に引き戻した。 民家の壁から身を離し、士郎と美穂子の居る庭に向かって歩き始める。 最後に思慮する事は衛宮士郎と福路美穂子に関する事だ。 ――まずは、衛宮士郎。 白井黒子が既に治療された事を知れば士郎はどう動くか。 おそらく、あくまで白井の無事を確認せんとするだろう。 あくまで屋上に残してきた者達に拘る可能性も十二分に在るが、 士郎が気にかかっている者達の現状は全て荒耶が把握している。 故に行動を御する事に問題は無い。 士郎の信念は揺らいではいるものの、未だに健在。 よって、荒耶の理想とする展開に持っていくことはそう難しくも無いだろう。 そもそも迷いの無い性格で在るから、後はその背を押してやればいい。 ――次に、福路美穂子。 アレはもう衛宮士郎にはどうしようもない存在だ、と。士郎に対して荒耶は言った。 固有結界が為るまで死なれては困る故に、そう言った側面もあったのだが、同時にそれは紛れもない事実でもあった。 彼女の身体に仕込まれた呪いは魔術師の領分を遥かに凌駕している。 おそらく、彼女には既に何らかの形での破滅が確約されているのだろう。 今の彼女を真の意味で救う事など、きっと誰にもできまい。 そして、それは美穂子自身もすでに理解している様子であった。 何にせよ、士郎には不可能なことだろう。 言峰が無意味な戯れで福路美穂子にあんな物を仕込んだとは思えず。 美穂子の膨大な魔力からは聖杯との繋がりが匂うが、今の荒耶にはさして興味のない事だ。 考慮するべきは、荒耶にとっての福路美穂子の利用価値だけである。 その実、あの少女は抜群に有用だ。 士郎に供給する魔力という意味でも、場に混乱をきたすと言う意味でも。 よって荒耶と言う男に同情が介入する余地など在るはずも無く、最大限に利用し尽くす所存であった。 さて、とりあえずの現状は理解した。 後はそれをこちらの都合の良いように転がすのみ。 その思索は既に済んでいる。 「休息は終わりだ。そろそろ、行くぞ」 庭の同行者に声を掛け、後は振り返りもせずに歩き続ける。 すぐに背後から、二人分の足音が荒耶を追ってきた。 両義との邂逅に備えるに際して、場の状況もそうだが、二人の体力を回復させる事がまずは先決だ。 放送までには、落ち着ける場所で身体を休ませる必要が在る。 白井黒子が既に危機を脱している以上、その存在に向かう足を制限される事は無い。 では次に向かうべきは何所か? 関わるべきは誰か? ここはひとまず、白井黒子を追うべく南下することが最も磐石な選択かもしれないが。 また違う場所に足を運ぶ事も選択の内だ。 夜を往く、魔術師の足が進む先。 それはまだ、彼だけが知っている事柄である。 【D-4/東側の住宅街/一日目/真夜中】 【荒耶宗蓮@空の境界】 [状態]:身体適合率(大)、身体損傷(中)、格闘戦闘力多少低下、蒼崎橙子に転身 [服装]:白のワイシャツに黒いズボン(ボロボロで埃まみれ) [装備]:オレンジ色のコート [道具]:凛のペンダント(魔力残量:極小)@Fate/stay night [思考] 基本:式を手に入れ根源へ到る。 0:次に向かうべき場所に向かう。 1:士郎と美穂子の保護と櫓の状況を確認すべく、いったん身体を休められる場所、および工房に向かう。 2:周囲の参加者を利用して混乱をきたし、士郎の異界を式にぶつける。 3:美穂子を士郎の魔力ブーストとして使う。 4:体を完全に適合させる事に専念する。 5:信長を利用し、参加者の始末をしてもらう。 6:必要最小限の範囲で障害を排除する。 7:利用できそうなものは利用する。 ※B-3の安土城跡にある「荒耶宗蓮の工房」に続く道がなくなりました。扉だけが残っており先には進めません。 ※D-5の政庁に「荒耶宗蓮の工房」へと続く隠し扉がありますが崩壊と共に使用不可能になりました。 ※エリア間の瞬間移動も不可能となりました。 ※時間の経過でも少しは力が戻ります。 ※今現在、体は蒼崎橙子そのものですが、完全適合した場合に外見が元に戻るかは後の書き手にお任せします。 ※海原光貴(エツァリ)と情報を交換しました。 ※A-7の櫓に、何かしらの異常が起きた事を察知しました。 ※バーサーカーを倒したのは、ルルーシュであると確信をしています。 ※何か強力な武器が手に入ったら、信長に渡す約束をしています。 ※信長の首輪が、爆破機能と共に盗聴機能まで失ったかは次の書き手様にお任せします。 もしも機能が失われていない場合、主催側に会話の内容が漏れた可能性があります。 ※一方通行の異常に気付きました。 ※イリヤが黒幕である事を知っています。 【衛宮士郎@Fate/stay night】 [状態]: 疲労(大)魔力消費(大)、全身打撲(治療中)全身に軽い切り傷(治療中)、背中に火傷、額に軽い怪我(処置済み) [服装]: 穂群原学園制服(上着なし、ボロボロ) [装備]: 落下杖(故障) [道具]: 基本支給品一式、特上寿司×20人前@現実、 伊達政宗の眼帯、 基本支給品外の薬数種類@現地調達 、ペリカード(残金5100万) [思考] 基本:主催者へ反抗する。黒子と共に生きてこの世界から出る。 0:黒子の所に急ぐ。 1:福路美穂子や蒼崎橙子(荒耶宗蓮)と同行する。 2:蒼崎橙子(荒耶宗蓮)は信頼しきっていないが、黒子の治療までは信用する。 3:秋山澪と合流する。 4:首輪の情報を技術者へ伝え、解除の方法を探す。 5:黒子を守る。しかし黒子が誰かを殺すなら全力で止める。 6:福路のことも、どうにかして助けたい。 7:女の子を戦わせない。出来るだけ自分で何とかする。 8:一方通行、織田信長、黒い魔術師(荒耶宗蓮)への警戒心。 [備考] ※参戦時期は第12話『空を裂く』の直後です ※Eカード、鉄骨渡りのルールを知りました ※エスポワール会議に参加しました ※帝愛の裏には、黒幕として魔法の売り手がいるのではないかと考えています。 そして、黒幕には何か殺し合いを開きたい理由があったのではとも思っています。 ※衛宮士郎の【解析魔術】により、首輪の詳細情報(魔術的見地)を入手しました。 上記単体の情報では首輪の解除は不可能です。 ※ゼクスの手紙を読みました。 ※ユーフェミアの外見的特長を把握しました。 ※原村和が主催者に協力している可能性を知りました。 ※『黒子の仮説』を聞きました。 ※『ペリカの投影』には『通常の投影』より多大な魔力を消費します。よって『ペリカの投影』は今後は控える方向性です。 ※白井黒子の能力について把握しました。 ※自身の歪みについて気が付きました。 ※「剣」属性に特化した投影魔術を使用可能。 今後、投影した武器の本来の持ち主の技を模倣できるようになりました。 ※現在投影可能である主な刀剣類:エクスカリバー、カリバーン、六爪、打ち刀 ※イリヤが主催・人質である可能性には現状全く思い至っていません。 ※片岡優希のマウンテンバイク@咲-Saki-は政庁跡に放置されています。 【福路美穂子@咲-Saki-】 [状態]:アンリ・マユと契約、左腕欠損(処置済み)、疲労(大) [服装]:黒いロングドレス (ボロボロ)、穂群原学園男子用制服(上着のみ、ボロボロ) [装備]:聖杯の泥@Fate/stay night、折れた片倉小十郎の日本刀 [道具]:支給品一式*2、伊達政宗の首輪、包帯×5巻、999万ペリカ ジーンズとワイシャツその他下着等の着衣@現実 [思考] 基本:自分自身には、絶対に負けたくない。失った人達の分まで勝利を手にしたい。 1:ただ己が正しいと信じたことを為し遂げる。 2:衛宮士郎や蒼崎橙子(荒耶宗蓮)と同行する。 3:蒼崎橙子(荒耶宗蓮)は信頼しきっていない。 4:「魔術師」「魔力」などの聞きなれない言葉を意識。 5:死した人達への思い。 [備考] 登場時期は最終回の合宿の後。 ※名簿のカタカナ表記名前のみ記載または不可解な名前の参加者を警戒しています。 ※死者蘇生はレイニーデビルやアンリ・マユを用いた物ではないかと考えています。 ※アンリマユと契約しました。 ※今は精神汚染を捻じ伏せています。 ※所持していた六爪はエリアD-5のビル郡に散らばりました。 時系列順で読む Back Moonlight Blue Next 砕けた幻想/上条当麻の後悔 投下順で読む Back Moonlight Blue Next 砕けた幻想/上条当麻の後悔 260 Moonlight Blue 福路美穂子 266 奈落 260 Moonlight Blue 衛宮士郎 266 奈落 260 Moonlight Blue 荒耶宗蓮 266 奈落
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サイキッカーバトルロワイアル 本編 サイキッカーバトルロワイアル本編SS目次・投下順 サイキッカーバトルロワイアル の死亡者リスト サイキッカーバトルロワイアル の参加者名簿 サイキッカーバトルロワイアルのルール・マップ
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参加者以外の登場人物一覧 【ゲームの主催側の人物】 リボンズ・アルマーク@機動戦士ガンダム00 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night インデックス@とある魔術の禁書目録 遠藤勇次@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor ディートハルト・リート@コードギアス 反逆のルルーシュR2 忍野メメ@化物語 原村和@咲-Saki- 言峰綺礼@Fate/stay night 【人質】 宮永咲@咲-Saki- 【見せしめ】 龍門渕透華@咲-Saki-
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crosswise -white side- / ACT4 『JUST COMMUNICATION』(1) ◆ANI3oprwOY 太陽に焼かれる空が、赤黒く染まっている。 陽の当たる部位の空間がずれて光の屈折が集約し、図面を焦がしている。 清浄な朝空には不釣り合いな色彩は、風景とは全く融け込めていない。 この場でも異物でしかない徒花は、なんら恥じることなく開いている。 まるで、そこだけが数時間先の夕暮れに落ちたかのよう。 花弁は色彩を狂わせる毒々しさを帯び、撒かれる鱗粉は種ではなく死を運ぶ。 咲き誇る花の美麗さはなく、ただ異常さと不気味さを醸し出すのみだ。 蒼く広がる空の上を侵略する燐光。 その中心。 光を散布する発生源に、ソレは居た。 ソレは、どうやら人の姿をしていた。 頭があり、胴があり、歴とした五体を備えている。 しかしそのうちの両腕と両脚は全身と比しても異様に長く、正常ならざる存在であることを誇示している。 右手に銃とも剣とも取れる物体を腕と一体化したように抱え、左手には小型の盾が取り付けられている。 全長と比べれば遥かに小さな頭には、四つの瞳がぎらついている。 正しく、異形の者であった。 ソレは、全身が紅く染め上げられていた。 背部から噴出する、推進剤らしき赤光よりもなお濃い色で纏われている。 その光を燃え盛る火と称するならば。 その色は、浴びた返り血で塗り固められた戦衣装といえるだろう。 おそらくは、ソレの中に乗る者が今まで啜ってきた命の数だけ。 狂喜と、享楽と、野心のためだけに造り出された破壊の化身。 人を蠱惑し、魅了し、悦らせ、死なす罪科の権化。 これを悪魔と呼ばずして何と呼ぼう。 機械の悪魔が造り主から授けられたのは、皮肉にも天使を司る御名。 あるいは、天使を造り出す我こそが神たらんとす創造主の意志か。 地上を統治し、悪霊の攻撃から守るという役割も持つ権天使。 偽りの堕天使。その役割は戦争。 渦巻く混沌に、更なる嵐が巻き起ろうとしていた。 ■ □ □ □ □ crosswise -white side- / ACT4 『JUST COMMUNICATION』 ■ ■ ■ ■ □ 「……機体制御完了。GNドライブ安定供給。武装セーフティ解除……」 鉄の悪魔の中枢、操縦コクピット室。 隙間の多いシートに座る少女がひとり。 細い十の指はせわしなく動き、モニターに映る項目を逐次チェックしている。 何十年もの経験からなる熟練の手捌き。 ゛前身゛と比べても変わりなく、瞬く間に全工程を終える。 「全機能オールグリーン……っと。さぁて、これでよぉーやく準備は完了だ」 少女の器に貼られたアリー・アル・サーシェスという魂のラベル。 蓄積されていた記憶は零落なく保存されており、調整は滞りなく済んだ。 退屈な作業から解放され、縮こまっていた体を伸ばす。 「しっかし大将も太っ腹だねえ。あのぐらいの仕事でこんな上玉をくれるなんてな」 上機嫌で口を三日月に象る。 喜びに満ち、お気に入りの玩具を与えられた子供のよう。 その原因は言うまでもなく、今自分が乗り込んでいるこの機体にある。 GNW-20000、アルケーガンダム。 イノベイターに雇われたサーシェスのために造られた専用機。 以前彼が鹵獲しそのまま愛機としていた『スローネ』シリーズの流れを汲む、最新鋭の技術を投入されたガンダムである。 莫大なエネルギーを生み出す疑似太陽炉、GNドライブ搭載型モビルスーツ。 特殊素粒子、GN粒子を生み出し万能ともいえる機能を発揮する旧型太陽炉を胸部と脚部に三基搭載。 実体剣とビームサーベル両方の効果があり、銃の機構も併せ持つ大型剣、GNバスターソード。 奇襲用として両脚の先端に仕込まれてるビームサーベル。 オールレンジでの射撃と刺突に用いる遠隔誘導兵器、GNファングを合計十基。 左腕にはビームシールドも装備し、緊急時の脱出装置も備えパイロットの生存力を確保する。 事実上死角なしの攻撃性能を持つ万能機。 それが特にデチューンがかけられた様子もなく、今のサーシェスの手に渡っていた。 本拠地より脱走した裏切り者を始末せよという、リボンズからのボーナスミッション。 苦もなくそれを達成し、その報酬として強奪したモビルスーツの使用を認可された。 正確に述べれば、指令は裏切り者とそれが手にしている兵器のことを教えられたまで。 それ以上の情報は与えられてはいない。 ただ、同時に使用を咎める声があったわけでもない。 言い含みと備えられた場の状況からすれば、言外に受領されたも同然だ。 確実な戦力だったリーオーを失って丸裸同然のサーシェスにはまさに福音。 それもおあつらえむきに自身の愛機。気が大きくなるのも当然といえる。 今の己を圧倒的優位に立たせる武装。 このまま即刻全員皆殺しにすることも可能なだけの攻撃力。 性能については実証済み。支給されている量産向けの機体など比較にすらならない。 この時点で、サーシェスは他のどの参加者よりも一歩抜きんでたポジションを手に入れられたのだ。 「もっとも、大将のこった。何か仕込んでるかもしれねえが」 だからこそ、そんな力を平然と与えたことに引っかかりを感じてはいた。 ガンダムの力は強大だ。最高だ。超一級品だ。 ここで見てきた数々の化物を見てもそれは同じと知っている。 出力、武装、今まで使い潰してきた簡易型とは格が違うのだ。 音速で動き回ろうがこちらは空中を自在に飛び回り、鉄をも破砕する剣だろうとそれごと叩き潰せる大剣がある。 小蝿と巨像、毒蜂と人間の関係。 いかな大敵であろうとこれに対して通用する術があるとは思えない。 それが痛快であるのもまた事実。 何よりも、サーシェスは戦争を愛している。 金さえあれば何処の誰とでも勇んで戦って見せるぐらいには。 それとは別に大量虐殺というのは特別趣向には合わないでいた。 無論、仕事であれば不平不満もなく実行する。良心などという冷や水はタンクごと破棄している。 単にそれ以上の意味であえてするほど酔狂でもないというだけのことだ。 戦争とは殺し合いだ。殺し“合って”こその戦争だ。 命をチップに、撃鉄が起こされた銃口を己のこめかみに添えながらルーレットを回すスリル。 ハンマーが落ちる音で生きていることを確信し、冷えた肝を勝利の美酒で潤す。 それこそがサーシェスが望むところの戦争、生命を駆け引きする禁断のゲームだ。 どれだけ禁忌の果実と知っていても、林檎の味を覚えた人類は決して忘れられない、逃げられない。 より多く、上質の実を求め手を伸ばしにくる。 無力な奴を蹂躙するのもそれはそれで楽しいが、さすがにそればかりだと些か飽きがきてしまう。 快楽のために戦争をやってる身として、モチベーションの低下は由々しき問題である。 とはいえ、あの食えない雇い主のことだ。この介入も予測に入れたプランを構築しているのだろう。 全ては盤上の範疇。何が起ころうと駒の持ち手に疎意を向けることはできない。 そもそもこの指令も余興、遊びだと言っていた。 成否に関わらず、練っているだろう計画には大して支障もないには違いない。 つまりこれは決して、イージーゲームなどではない。 なにかある、この規格外の兵器をもってしても一筋縄ではいかない何かが、この先に在る。 「―――ま、いいけどね。なんでも」 そして、その思惑がどうあろうとサーシェスは全く意に介さない。 大層な計画も高尚な主義思想にも興味はない。 重要なのは契約を守るか、戦争がやれるか。 肉体が変わってもなくならない、胸に残る根源の欲求に身を任せるだけで、彼の人生はバラ色だ。 駒は駒らしく忠実に仕事をこなせばいい。幾らでも便利に使えばいい。 自分はその過程の騒乱を楽しみたいだけなのだから。 またとない戦場を与えられた。この上ない武器も手に入れた。 なら後は、派手な戦争を起こすしかない。 ミッション成功以降は、デバイスからの指令なし。 これから何をしろだのといった具体的なメッセージは届いていない。 つまりは『好きにやれ』という事だ。 お望み通り、好きにやらしてもらうとしよう。 「さてさて、どっから仕掛けましょうかねぇ」 索敵機能をかけ、上空から下界の戦場を観察する。 モニターのそこかしこに映るのは黒煙。 戦闘の跡、破壊の嵐が過ぎ去った証の疵。 暴風は止み些か鎮火したきらいがあるが、傭兵の嗅覚は見逃さない。 まだ、燻ぶる火種がある。 新しい火蓋は開かれず、切り落とされる時を待ち望んでいると。 「にしてもけっこう時間経っちまったなあ。 なかなかどうして粘ってたみてえだが、結局旦那はどうなったんだか」 数時間前まで戦っていた場所に視線を向けるも、既に戦火は乏しい。 戦いは終わったのか、そうでなければ掻き回してやるのもいいか。 そうして捕らえる標的を探りかけたところで。 「――――――――――――お?」 そこで、見た。 「へえ………………」 現在位置よりやや遠く南方。 地図上では『ショッピングセンター』と呼ばれる施設がある地点。 そこに面する駐車場に、見えた。 周囲の建造物がドミノ倒しになっている中で、仰向けに倒れ動かないその姿。 深紅の鎧、悪魔の翼を持った高貴なる騎士。 今まで見たことのないフォルム、だが知識として知っている。 途中で入手し読破したデータマニュアルにその姿は記されていた。 何よりも、その威容が語る存在は違えようもない。 「そおいう事かい。どおりで大将も気前がいいもんだ」 餓える獣が、渇きを満たし得るだけの最高の獲物を見つけた。 □ □ □ □ ―――交差したのは目。 血走る殺意を孕んだ赤い瞳。 本来なら顔も見えない遠い距離で、確かにそれは体を突き抜けた。 眼球の動きに合わせて、空想は破壊の爪痕として具現される。 隠しもせず発露された暴威の気色は物理的な破壊を伴って周囲を焦がす。 手に握った最後の刀剣は、振るわれた魔手によって抜刀を果たせず砕け散り、破片がぱらぱらと舞い散り落ちる。 けたたましく弾けるコンクリートの音は嗤い声のように。 睨むだけで世界が砕けていく様はどこかで聞いた話を思い出して。 最後の抵抗に、迫る衝撃で自ら全身を大きく後ろに押し出した。 そのまま足場のない場所まで追いやられ、真下に口を開ける孔に吸い込まれていく。 意識もろとも、深い穴蔵に呑み込まれていく。 落ちる一瞬。 脳裏に残るのは己が魔眼で捉えた流れ。 白い影を中心に集まっていく線は、宙(そら)に浮かぶ星の巡りに似ていると思った。 「………………」 夢想から起きたのは、鼻をつく錆びた鉄の臭いが切欠だった。 金属を腐食させるのとは違う、文明を朽ち果てさせる残り香。 舞い散る塵、乾いて煤けた空。 やがて人類に訪れる最後の大地。 五感はどれも密接に結びついており、ひとつの感覚で複数の感覚を刺激させる。 嗅覚だけでそこまで思い描けるのは、その光景にしか零せない臭いだからか。 「………………」 どちらにせよ、目を醒ませばいいだけの感触に迷いなどありはせず。 その感覚を縁にして、両儀式は目を醒ました。 空は、やはり乾いた絵画のように色褪せている。 意識を取り戻してから即座に取るのは状態の確認。 肺に渡る酸素と胸の内から打つ心音。生きている事を認識として理解する。 四肢の感覚も残っており、過大な痛みも感じない。 目に映る変化は右手の軽さ。 握っていた日本刀は抜くよりも前に柄から先が消えたぐらい。 すべては、瞬きの出来事であった。 最大の隙に撃ち放たれた弩弓。 一方通行(アクセラレータ)という名称の破壊兵器。 流星の速さで飛び込んで来たソレは、無防備な鋼の巨人の装甲を破り、陥落させた。 余波だけで手に携えられていた名刀は粉々になり、柵を越えて滑り落とされる。 今まで気を失っていたのは、不完全な着地により衝撃を殺し切れず軽い脳震盪に陥っていたからだと予測を立てる。 経った時間は、おそらくそう長くはない。 起き上がろうとして、慣れない感触に足元を見る。 ブーツが踏むのは金属質な掌の相。 巨大な手首の続く先には、積もり積もったコンクリートの山。 その中から紅い腕が伸びていた。 作戦の盾として式を守り運んできたモビルスーツ、ガンダムエピオン。 グラハム・エーカーが駆る機動兵器。天江衣の死により瓦解し、突き破られた牙城。 柵から転げ落ちた式を手で掬い上げたのは苔の一年か。 それでも今は重なり合う故障品と同意義の存在でしかない。 一方通行から受けた致命の一撃によりくず折れて、沈黙を通している。 今は最早役目を果たせず仰臥し、倒れた上から押し寄せた瓦礫の雨が、全身の腰から上に山を築いている。 折れた武器を放り捨てて、掌から塵屑だらけの地に足をつける。 動かないエピオンを放ったまま、白煙の立ち込める戦場を歩く。 既にパイロットのグラハムからの反応は望めないものと決めている。 積もった瓦礫は、機能を停止させてからかなりの時間が経っている証拠だ。 崩れた駐車場が起こした砂埃は風に巻かれ、景観をある程度には鮮明に映している。 単なる気絶か、それとも絶命したのか、塵山に埋もれた現状ではそれを確かめる術もない。 そうして複数の情報を混ぜて、式はここに留まる意味を見い出せないでいる。 生きていればまた動くだろう、程度の感想しか持っていない。 糸の切れた凧のように、風の向くまま塞がった道の穴を縫って先へ進む。 駐車場は既に原型を留めていなかった。 上の階層を支える柱を砕かれ、土台となる足場を爆され、建築物としての骨子を奪われての崩落だ。 それは偶発的に起きたものではなく、計画性をもって立てられた破壊活動。 昏倒時に聞こえた大音、今も小規模に崩れる建造物。 エピオンが陥落した後にも戦いが続いていた証でもある。 巨人が倒れただけではここまで容赦のない破壊は起こせない。 かつての姿が見る影もない元駐車場からは、闘争の空気は失せている。 取り囲んだ領域を張り詰めさせる殺気も、本能を沸き立たせる戦意もない。 灼熱の源泉たる敵、一方通行もこの場にはもういない。 森を焼く業火は鎮火し、僅かな余熱が名残りとして燻っているのみだ。 一度起きた事象は巻戻りはしない。 風が吹いて熱が冷めても、残るのは無惨なものばかり 焼かれた木々は炭に染まり、枯れた大樹は若葉を芽吹かせない。 過去は不可避であり、零れた命は手に還らない。 戦場跡にあるのは決まって同じ。破壊という一点に世界の隔てはない。 粉微塵に変わり果てた建築物に肉身を裂かれ物言わぬ死体。 そして、僅かばかりの僥倖で永らえた生存者。 「……げほっ!ごほっ!は――――――!」 びくりと、全身が痙攣する。 落ちていたブレーカーを立ち上げられたみたいに、沈んでいた意識が飛び起きる。 土埃に汚れている場所のなか、大口を空けては酸素を求める。 取り入れた空気にむせこんでも生命活動を維持しようとする体は止まらない。 躍起になって肺を動かして、ようやっと十分な安定をみせる。 死んでいるかと思える程に引き裂かれている全身。 黒を基調とした学校の制服は至る部位に血が滲んでいる。 土に汚れた場所で大口を空けて酸素を求める。 敗残者でしかない姿で、無様に地べたを這いつくばっている。 「ぐぁ……がっ……ぁ……」 「しぶといな、お前も」 「ぎ……ぞ、の声……式……か……?」 それでもなお、生きた姿で息を続ける。 体は朽ちず。心もいまだ死なず。 心身を切り刻まれていても、阿良々木暦は死者の列に加わってはいなかった。 「いぎ……てる……か?」 「お前よりはな」 息も絶え絶えといった様相。死体と見間違えても仕方がない。 吸血鬼というよりは民間で伝わるゾンビめいた姿だが、会話が叶う程度には身体機能は動いている。 東横桃子の徹底して容赦なき砲撃。立体駐車場全体を解体する一斉掃射。 逃げる為の地盤を砕いての垂直落下に晒されてなお、暦は生き延びていた。 それは、本来なら不可解な事態だ。 吸血鬼もどきの肉体では耐久力にも限度がある。 十数メートル下のコンクリートに叩きつけられて無事でいられはしない。 耐えられたしても、代償に手足の一本や二本はひしゃげてしまっているだろう。 その不可思議について考えている余裕は今の彼にはない。 それよりも先に、記憶にある僧衣の少女の安否の方こそを気にした。 「インデックス……は?」 「お前の隣で寝てる」 「えっ?」 式の言葉の通りに目を配れば、確かにインデックスはそこに眠っていた。 この薄汚れた地獄の巣窟に似つかわしくない、晴れやかな色合い。 自然物とは考えにくい純白の布地が目の前に広がっている。 それも目につかなった事にこそ疑問なくらいに近い距離で、視界の黒く塗り潰されていた箇所に寝転がっていた。 遅まきながら、暦は目の半分が機能していないのにそこで気づいた。 ナイトメアフレームの機動中の風圧、駐車場を襲った砲撃、東横桃子のビームサイス。 いずれに対しても一切の影響を遮断させてきた文字通りの『歩く教会』。 礼装の効力を度々目にしつつもその能力に確信が持てていない暦だが、顛末を窺い知るには十分だった。 崩落の最中、インデックスは落ちる暦を包み込むように抱き寄せ、落下の衝撃を受け止めてくれていたのだ。 つまり助かったのは奇跡や偶然の気まぐれでなどではなく、インデックスという紛れもない他者の手による庇護。 身に余るほどの献身は、操り主の意に従う人形では有り得ない筈の行動だ。 戦闘の波及を広げるという主催としての役割と、身を挺して参加者を庇い立て命を救う行為は完全に矛盾している。 そうする事が、彼女にとっては当たり前だとでもいうように。 身じろぎひとつせず眠っている修道女。 顔にかかった髪の一房が時折揺れ動くのが生存を示している。 終始見せていた、機械を思わせる人形の表情はそこにはない。 殺し合いを管理し、扇動した片棒を間違いなく担いできた冷酷無残な人形とは違う。 あどけない、夜枕を抱えて床についた子供のような顔つき。 明日も変わりない一日を遅れると信じて疑わず、希望に溢れた夢を見る幼子のようにしか見えなかった。 戦闘の波及を広げる理由はあっても、わざわざ身を挺して参加者を救う理由はない。 それは悪い予想の通り主催からの指示なのもあるのだろうけど。 そうであっても、助けようとしたのは彼女の意思ではないだろうか。 気休めではないかもしれないけど、そう信じていたかった。 「他の、やつらは……枢木は……?」 血が足りていないのか、頭が揺れ動きながらも口を開く。 「ここにはもういない。生きてるやつは全員どっかに消えてるよ。 ほかに残っているのは死体ぐらいだ」 暦の問いかけに対して、生きてる人間はいないという言葉を式は返す。 死体ならばこの何処かにあるかもしれない。そういったニュアンスを含めている。 「そう……か」 否定は、し切れない。 スザクがあの後どうなったのか最後の瞬間を目にした者がいない以上、既に死んでいる可能性も確かに存在している。 そこらの瓦礫をひっくり返してみれば亡骸が見つかってもおかしくはない。 最低でもひとりは―――何処かに死体が隠れているのだから。 また命を拾った。ひとまずは助かった。 しかしそれがいったい何になるのか。 彼一人の生存が知れたところで、何か劇的な変化が起きるでもない。 戦いは続く。己の意思と肉体を無視して、ステージを移し変えながら地獄は進展していく。 戦地だった場所は崩れ落ち、途中で離脱した暦はそこにいた者達の安否は杳として知れない。 爆炎と粉塵に包まれた駐車場では、誰を見つける事も叶わない。 「なにか……まだ――――――」 折れている肘を持ち上げ、関節に力を込めて立とうとする。 動かすたびに痛みが走るが構わず続ける。 沈黙は結果を生み出さない。動かなければ事態は一向に解決には向かわない。 この絶望的な状況において何をしたらいいか。何をすればいいか。 己に出来る最善を尽くそうと周囲を見渡す。 なにもしないでいるのに耐えられず、せわしなく首を動かす様はどこか夢遊病者じみている。 何度くじかれても折れぬ意志。 しかし、度を超えれば蛇のように体を縛り付ける呪いと変化する。 雁字搦めになるのに足を突き動かされるという矛盾。 矛盾ではあるが破綻はせず、無様になりながらも動きは止めはしない。 何故なら阿良々木暦にはそれしかないから。 力なく知恵も足りない男ではそれが限界だから。 届く限界の範囲で、為すべき事を為していた。 自分が動く行為が何かの切欠になればいいと信じて。願って。 「ぁ――――――まず―――――――――」 だが、それは世界に彩られた主権ある者にしか使えぬ聖剣である。 既に座を降ろされ脇役でしかない阿良々木暦は、その資格は有してはいなかった。 頭が抜けていく、そんな感覚。 頭部を引っ張られて自分の意識だけが引き摺り出されていく浮遊感。 抵抗の間もなく、動かす力がなくなっていく。 いわばガス欠。燃料切れ。生命力の備蓄の枯渇。補給の為の休息期間。 つまりは、気絶だ。 『歩く教会』の加護を受けていたのはあくまでインデックスひとりだ。 小さな体に庇われたおこぼれ程度の防御では、五階分からの落下を殺し切るには不足だった。 骨は至る箇所が折れ、失った血の量も多い。 人間であればとうに死んでいなければおかしい重傷。 体に負っていた損傷はすぐにでも休息を必要とする。 回復しつつあるとしても、とても動かせる状態にあってはいなかった。 目が覚めたのも、朦朧とした意識の中で偶然式が目に入ったからでしかない。 寝てる余裕はないと無理に起き上がったところで、結局血が足りずすぐに堕ちるのが必定だった。 「―――――――――く、そ」 失意だけが、取り残されていく。 沈殿する意識で出た言葉は誰に向けたのか。 傍にいる式に図れる筈もなく、本人も当然喋る事も出来ずに。 再び、暗闇の中へと消失していった。 「……なんでそんなに必死なんだろうな、お前は」 どこに向けたとも知れない言葉を、式は呆れたように吐き出す。 呟いたのは愚痴なのか、彼女自身その理由を図れていない。 理解出来ないというよりは、納得がいかない、といった心境だ。 それだけ傷だらけになり、精神的な苦痛も少なくはないだろうに。 どうしてこの男は、そこまでして他人を助けようとするのか。 底抜けのお人好しである事は分かる。 なにせあの浅上藤乃を庇い立てするくらいだ。相当のものだろう。 きっとこの男は誰に対してもそうだ。 頼まれてもいないのに首を突っ込み、どうにかしようとあちこちを動き回り、時には体を張る真似だってする。 そんな風に断定してしまうのが、今はもういない男の像を参考にしていた事に気付き、何故だかとても腹が立った。 自分を吸血鬼と名乗る少年。 確かに傷は、倒れる体を眺めている最中にも徐々に塞がってきている。 ヒトでないモノ。バケモノ。その呼称はおそらく間違いではあるまい。 無防備を晒し眠るソレを、けれど式は微塵もナイフを刺す気にならなかった。 最後にしこりを残しておきながらひとりで勝手に気絶している男にさらに苛立ちが募った。 首を向けた先には、退廃した空が眼の届く限り広がっている。 灰に色づいた光景は、今にも破れてしまいそうなほど頼りない。 まるでハリボテ。触れただけで裂けてしまう紙の天井だ。 ……もしこの空にまで線が見えてしまうようになったらと、いつか思った事がある。 見るも聞くも嗅ぐも触れるも味わうも、どれもがおぞましい、死の世界。 自分があの場所を垣間見るならともかく、場所の方から意志を持つモノとして表れるなどそれこそ気が狂う。 覆う雲の切れ目からは僅かに差す赤い光は、血雨が降りしきる前の雲海を思わせた。 時系列順で読む Back crosswise -black side- / ACT4 『逆光(ぎゃっこう)』(二) Next crosswise -white side- / ACT4 『JUST COMMUNICATION』(2) 投下順で読む Back crosswise -black side- / ACT4 『逆光(ぎゃっこう)』(二) Next crosswise -white side- / ACT4 『JUST COMMUNICATION』(2)
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255 :名無しさんなんだじぇ:2010/12/29(水) 03 45 37 ID 1UeJnRhM みんなわいわいがやがやと楽しく過ごしているが、アレを忘れていないか! というわけでいくつか考えたネタの内、出来たところまでを投下。 ~~死者スレ・たまり場~~ とーか「突然ですが、これから貴方達に大掃除をしてもらいます」 「「「「「な、なんだってー!」」」」」 カイジ「…この光景ってどっかで見たことないか?」 部長「所謂お約束の反応ってやつよねー」 利根川「しかし何故大掃除など、っと聞くのも野暮だな」 黒桐「この一年間で大量の物が溢れていますからね」 会長「ゴミを放置した結果が先日のG騒動を引き起こしたしな」 五飛「うあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 ゼクス「ハハハ、ワタシニハナンノコトダカワカラナイナ?」 ユフィ「な、なんであれ綺麗さっぱりな状態で新年を迎えるためにも大掃除をしましょう!」 閣下「それでは諸君、エレガントを心掛けて掃除をなしたまえ」 ~~死者スレ某所~~ 刹那「しかし、俺の部屋は掃除しようがない程片付いているが」 ヒイロ「同感だ。必要最低限の物以外を持ち合わせることがないからな」 デュオ「いや、平時の青少年が部屋の中にパイプベッドと机だけしか置いてないとか質素過ぎるっていうレベルじゃねーぞ!」 紬「ガンダムバカ、手が空いているのならアジトを掃除してくれないかしら?それとザ・自爆には格納庫を任せたいけど?」 刹那「わかった」 1「任務了解」 紬「よろしくお願いします」 アーニャ「ツムギ、今は手空いている?貯め込んだ記録を一緒に整理してほしい」 紬「ごめんね、今からバンドの練習部屋の片づけをしなくちゃいけないの。代わりにデュオさんを連れていってね」 アーニャ「(神原も不在、あれを片付けるには人手が必要……)わかった」 デュオ「って俺の意思なしで話が勝手に進めるなよ!?」 アーニャ「何か不都合?」 デュオ「……あーもういい、俺も暇だから手伝ってやるよ」 256 :名無しさんなんだじぇ:2010/12/29(水) 07 15 17 ID 79WAQnmE バサカ「では、スコップを借りていきますね」 アーチャー「む? スコップなど、何に使うつもりだ?」 バサカ「ちょっと川の流れを変えて、まとめて押し流そうと思いまして」 アーチャー「 ……その方法はやめろ――!! 」 【バサカ アウゲイアス式大掃除 未遂確認】 遅くなったけどラジオの人GJ!! 257 :名無しさんなんだじぇ:2010/12/29(水) 16 48 24 ID TcbJLyr. ~~死者スレラジオスタジオ~~ 玄霧「それでは現パーソナリティーのお二方にはスタジオの清掃を頼みます」 筆頭「OK!そんじゃ、この中にある道具を全部外に出すぜ」 神原「部屋の掃除はその後だな」 玄霧「では安藤さん、ここの指揮はあなたにお任せしますね」 安藤「わかりました。じゃあ、最初にこのテーブルを…」 藤乃「あの、部屋の掃除が終わったのですが…」 玄霧「おや、随分と早かったですね」 藤乃「まだここに来て日が浅いですから、あまり物も置いていませんし」 玄霧「そうですか。でしたらスタジオの清掃を手伝ってもらえませんか?」 藤乃「という訳でお手伝いに参りました」 安藤「じゃあ藤乃さんは神原さんと一緒に向こうの片づけをしてください」 藤乃「わかりました。神原さん、よろしくお願いします」 神原「こちらこそよろしくお願いします。ところでこの機会に藤乃さんに尋ねたいことがあるのだが」 藤乃「はい、なんでしょうか?」 神原「うむ、実は本編でライダーさんとイチャイチャしていたことについてだが」 藤乃「なっ、あれはいちゃついていたわけでは!」//// 神原「まあそこは否定してもらっても構わないが、私の今後の活動に役立てるためにいろいろと…」 筆頭「Hey、神原、talkより手を動かしな」 安藤「それにいまここで話を聞いてしまうと後のラジオで話題がなくなってしまいますよ」 神原「ふむ、それは困るな。仕方がない、ここは自重しよう」 筆頭「放送でも自重しろ変態」 ~~おまけ・スルー推奨~~ C.C.「~♪」 マリアンヌ「……なんでC.C.が掃除をしているのかしら……全く想像していなかった光景なんだけど」 C.C.「!!!」(物陰に隠れてマリアンヌをチラ見) マリアンヌ(えっ!!何いまの反応!!) C.C.「あ、あのう、どちら様でしょうか?…あっ!も、もしかして、新しいご主人様でしょうか!?」 マリアンヌ「まさかのギアス習得前の人格モード!!!?何があったのよC.C.!!!」 ※今ではどうでもいいことだが、クリスマスの夜に誤ってたまり場が『大掃除』されそうになってたね。
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111 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/27(水) 22 34 20 ID in0442CU はっはっはー、ただの自己満足の為に整理するのだー 【各勢力一覧】 《風紀委員》龍門渕透華 トレーズ・クシュリナーダ 月詠小萌 リリーナ・ドーリアン 伊藤開司 黒桐幹也 加治木ゆみ 竹井久 セイバー 真田幸村 御坂美琴 バーサーカー アーニャ・アールストレイム ヒイロ・ユイ ファサリナ 妹E 上条当麻 《特攻野郎》琴吹紬 刹那・F・セイエイ 八九寺真宵 明智光秀 本田忠勝 戦場ヶ原ひたぎ 神原駿河 船井譲治 アーチャー ゼクス・マーキス レイ・ラングレン 海原光貴 妹F R妹 平沢唯 中野梓 千石撫子 《伊達軍団》伊達正宗 片倉小十郎 ヴァン プリシラ 衛宮士郎 福路美穂子 池田華菜 田井中律 キャスター 玄霧皐月 ライダー 浅上藤乃 デュオ・マックスウェル 張五飛 C.C. ユーフェミア・リ・ブリタニア 安藤守 《運営係?》マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア カギ爪の男 兵頭和尊 利根川幸雄 ハロ達 黒服達 【種目一覧】 《個人競技》100m走/大玉転がし/障害物競争/二人三脚/パン食い競争/借りモノ競争/寒中オイルレスリング/電撃イライラ迷路/タマ取り? 《団体競技》長縄跳び/綱引き/棒倒し/玉入れ/風雲!安土城/ムカデ競走/チーム対抗リレー/チーム対抗騎馬戦 《その他》運動会ライブ/フォークダンス/組体操 種目を選定した先人には申し訳ないが、「借り物+借り人=借りモノ」のように統合します。あと、「タマ取り」ってなんですか? 116 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/27(水) 23 14 38 ID 1Fx2Q.hg 小十郎「精一杯タマァ殺らせて戴きやす。」 撫子「ひいっ!」 池田「そーいうんじゃないし!」
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crosswise -black side- / ACT3 『勇侠青春謳(ゆうきょうせいしゅんか)』(二) ◆ANI3oprwOY ―――――――――――――――――――― ◆ ◇ ◆ ――――――――――――――――――――――― ―――そうさ、楽しんだもん勝ちだぁな、つまりはよ。 /勇侠青春謳・劍撃ノ参<諧謔> ――誰だって自分の人生の主役は自分自身だ。 そんな言葉をきいたことが、きっと誰でも一度はある。 けれども、幼き頃のディートハルト・リートにはそれが真実だとは到底思えなかった。 世界は欺瞞に満ちていて、視界は虚栄に塞がれて。輝いて見えるものなどは何もなくて。 目に映る全ては偽物にしか見えなかった。 同じような顔で笑って、同じような顔で泣いて。 明日死んでも世界に何ら影響をあたえることがない、いくらでも代わりの利く存在。 焦点があっていないような、フレームに収まっていないような、どうでもいいことばかりが起こる毎日。 誰も彼もがその程度だった。――自分自身も含めて。 そこそこ真面目で、それなりに人付き合いの良い仮面をかぶりながら生きているうちに、彼は確信にも似た自覚を持つに至る。 ――間違いない。私は『脇役』だ。 誰に言われるまでもなく、理解した。 世界にはきっと二種類の人間がいて、自分はその劣った方だ。 きっとどこかで輝きを見せているだろう彼らとは違う――。ディートハルト・リートは、違うのだ、と。 ……だからといって、落胆に暮れたというわけではない。 なるほど、そういうことかと得心したというのが本音だっただろう。 納得がいった。 両親も、友人も、恋人も、自分自身も偽物で。 世界にとってどうだっていい存在で。 だからこそ、日々はこれほどまでに味気なかったのだと。 そう、受け入れることが出来た。 やがてディートハルトは放送業界へと入る。 彼は偽物で、しかしだからこそ本物に憧れた。 恋焦がれたと言ってもいい。 本物の、『主役』に近づくには、そこはとても都合が良かった。 性にもあっていたのだろう。 彼は次々と企画を成功させて敏腕プロデューサーと呼ばれるようになっていった。 そこで、彼はもうひとつの自分の本質に気がつく。 完成した本物よりも、これから完成へと向かう本物のほうが興味深いものがある、ということに。 それはあるいはコンプレックスの裏返しだったのか。 自分では気にしていないつもりでも、未完成なものが完成に至るというその図式に不完全な自分自身を重ねていた、ということなのか。 いや、それは恐らく誰しもが持っているようなものなのだろう。 未熟な雛がやがて成長し、大空へと羽ばたく姿を美しいと思うように。 ディートハルトは、それが少し他人よりも深く、また苛烈であったというだけなのだろう。 そして、このふたつの精神が。 何事もなければ一人のプロデューサーとして平穏に平凡に終わっていたはずの彼の人生を大きく狂わせることとなる。 ――『ゼロ』との出会い。 そこにディートハルトは『未完成』な『本物』の『主役』を感じた。 いままでも何度も仕事で『本物』の気配を感じてきてはいたけれど。 格が違う。核からして違う。 間違いなかった。 この『ゼロ』こそが、本当の、『本物』だ。 幼い頃から求めて止まなかった答えがそこにある。 ――この世界の『主人公』は誰なのか? それこそが、私なのだ。 ……そう、ゼロが答えたような気がした。 黒の騎士団へと入団したディートハルトは、すぐ近くでゼロの功績を見ることが出来る立場となった。 昔からの望みどおりに。 本物を、この目で。『主人公』を近くで感じることができる。 それは素晴らしいことだ。 もっとも、ゼロからそれほど信頼を置かれてはいないだろう。 ディートハルトに限ったことではないが、本当に重要な案件は黒の騎士団員にすら多くは明かされていない。 しかし、それでも構わないとディートハルトは思う。 むしろ、それほどに超然と自分たち『脇役』などは遠ざけていて欲しい。 自分は『脇役』を脱したいと、『主役』に加わりたいと願っているわけではないのだから。 彼を見れば杞憂かとも思うが、万が一にも不純物を混ぜて輝きを濁らせることなどあってはならない。 分相応に、自らの領分をこなして、『主人公』が完全へと変わろうとする過程を見ることが出来るならそれでいい。 それ以上に望むものなど他にはない。 ディートハルトは満足していたのだ。 自分の人生に。 そんな最中だった。 この殺し合いに招かれたのは。 嗤う男に告げられた内容には確かに驚かされた。 魔法、超常能力、平行世界。そのどれもがディートハルトの常識を超えている。 自分が今置かれている状況を考えれば受け入れるしかなかったが、平常であればとても信じられたものではなかっただろう。 そして、そのような完全に近い力を持って行うことが殺し合い、ということに少しばかりの呆れる気持ちもある。 ……だが、けれども狂った発想だ、などとは思わなかった。 要するに、人間の死に様を見たいということなのだろう。 何のことはない。 自分が放送業界にいたころから人間はかわりない。 メディアを少し見れば明らかなように、人間は昔から悲劇が好きなのだ。 残酷だ、悲劇的だ。なんと可哀想なことだろう。 そう口にしながら画面からは目が離せない。 最悪の結末を今か今かと舌なめずりをして待ち望んでいる。 それが少しリアリティを増して行われるというだけだ。 本質的な部分はなんら変わっていない。 ――ディートハルトは数瞬の戸惑いの後に答えを返す。 協力しよう、という趣旨の言葉を。 放送全般の取り仕切りを任されたディートハルトは名簿に目を通しながら思う。 自分の勘が正しいのなら、ここには『本物』が押し込められているのだと。 そんな連中が殺し合いをすればどうなるのか。 惜しいと思う気持ちがある一方、興味を持っているということも否定はできない。 プロデューサーとしての業か。それとも自身もまた矮小なバッドエンドマニアなのか。 ――どちらでも構わない。 ああ……だって、それ以上にまだ死ねないという気持ちが強かった。 ディートハルトが居なくなろうともゼロは目的を果たすだろう。 ディートハルトという存在は、ゼロにとってはその程度の取るに足らぬものに違いない。 だが、ディートハルトは、『ゼロ』の完成をまだ見ていない。 それが見てみたい。 それを見るために、その為だけに生きてきた。 そのためならば、ディートハルトは他人の命も、自分の命すらも惜しむ気にはなれなかった。 だから、逃げた。 だから、ルルーシュ……ゼロがここにいるならば力になろうと思った。 好きを見計らい会場へと降りてでも、絶死の領域だろうと躊躇うことはなかった。 彼ならば何とかしてくれるという思いもあった。 彼ならば――この絶望的な状況をも覆すに違いないと狂信めいた確信すら覚えた。 そうだ……。まだ死ぬわけにはいかないのだ。 私には、まだ。役割がある。 言わなければならないことがある。 伝えなければならない。 リボンズ・アルマークは首輪を解除させようとしている。 具体的に、何をしようとしているかはわからない。 探ろうとも見えては来なかった。 だが、我々にとって良いことだとは到底思えない。 ああ――禁書目録も信用に値しない。 あいつは阿良々木暦に天江衣の首輪の情報を渡した。 本来の権限を越えて。 なぜそんなことをしたのか――? 言うまでもない。 リボンズ・アルマークとつながっているから、暗に首輪を外せと要求するかのような情報を流したのだ。 信じられない。どいつもこいつも。 流れも読めぬ愚か者も、リボンズの息のかかった犬どもも。 ただひとり、ゼロだけが。 ゼロだけが、この窮地を、覆してくれる。 だから、私は生きなければならない。 まだ、この“機体”をゼロへと届けなければならない。 少しでも彼の助けになりたい。 虎の威を借る狐と呼ばれようが構わない。 勝手に呼びたくば呼ぶがいい。 そんな、ものじゃない。 憧れも。嫉妬も。正しくはない。 信仰――少し近い。だが、違う。それだけじゃない。 この感情を正確に、一言で説明することなどできないのだろう。 まだ、死ねないのだ。 ディートハルトは考える。 まだ見ていない。 まだ、見ていないのだ。 それは、きっとすぐ、もうすぐ、あるはずだ。 ゼロが世界を統べる姿を見たいとまでは、言わない。 ここから無事に脱出できるとは――思っていないから。 だから、せめて。 リボンズ・アルマーク。 あの、絶対的強者を。 『完成』仕切ったあいつを――。 打ち砕く姿を見せて欲しい。 死ねない。 見苦しいと罵りたくば罵るがいい。 命汚いと哂いたくば哂うがいい。 知ったことか。 私は、違う。 偽物の人生を偽物とも気づかぬまま生きるお前たちとは違う。 安全なところから必死に生きている人間を嘲る薄汚いお前たちとは違う。 たとえ偽物だとしても。 それでも本物に焦がれた。 近づくために危険をも恐れることはなかった。 私は、ただ見たかっただけなのだ。 ゼロ、あなたなら。 お願いだ。私にとっての神よ。 「――――見せてくれ……。ルルーシュ・ランペルージ……!」 走馬灯。 これまでの人生が流れては消えて行く。 つなぎとめているのは精神。 ただ、求める希望。 純粋に、欲しかった。 未来が見たかった。 ディートハルト・リートという男はそれだけだった。 それだけだから――。 ここで、終わるのだ。 「……あ? 旦那なら今頃死んだんじゃねえの?」 「――――――――――――な」 目を見開いたディートハルトに応えるのは乾いた銃声。 既に致命傷を負っていた身に何ができるはずもなく。 こうして今日もまた一つ。 明日も動かぬ死が積み上がった。 【ディートハルト・リート@コードギアス 反逆のルルーシュR2 死亡】 ■ ■ ■ 「……ったく。一撃で仕留められねえとは俺の腕も鈍ったかねぇ。妙にしぶとい奴だったな」 地に伏せる死体を見下ろしながら、下手人は飄々と言葉を放つ。 見た目は中学生女子。中身は中年男性。その名はアリー・アル・サーシェス。 彼が、若しくは彼女こそが――ディートハルト・リートを殺害した犯人だった。 愚痴愚痴言いながらもだらしなく顔は歪んでいる。 ――一度は拒んだ報酬だったが、何、こういうものなら悪く無いとサーシェスは思う。 胸を弾ませながら(※比喩表現であり、実際の身体描写とは異なる)ごそごそと死体を漁る。 「んー。さてはて、っと……」 いやはや、しかし。 アリー・アル・サーシェスは命を落としたはずではなかったのか? 織田信長との戦いによって爆散するリーオーと運命を共にしたのではなかったのか? 「はっ……バカいっちゃいけねえぜ」 どうして、なぜ。戦争屋アリー・アル・サーシェスともあろうものが下らないプライドに囚われて仮の雇い主のために命を賭けなければならないのか。 くだらない――それは、勝てるなら勝てる方がいいだろう。負けたならやり返してやりたいとも思うに違いない。 だが、それは全て生き延びることが前提だ。 そう――アリー・アル・サーシェスは負けていない。誰よりも足掻いて生き延びる。 ルルーシュが、憂が、スザク、信長が身命を賭ける闘争とて、彼にとっては変わらぬ日常。 いつもどおりの戦争でしかなかった。それ故に、いつもどおりに逃れただけだ。 ――戦争は、生き延びたものの勝ちなのだから。 (――だったら、旦那よりもあの化物よりも、俺の勝ちってことでいいよなぁ?) かかか、と。輝きを見せながら死んでいったもの共を見下しながら端正な顔が歪む。 ああ、そうだ。格好良く死んでいけばいい。真っ直ぐに、希望を目指して、美しく王道をいけばいい。主役らしく。 俺は構わない。悪党の脇役で構わない。小狡く小賢しく小汚く。邪道を醜くすり抜けて。 そして――最後まで生き延びてやろう。 「はは。これだから戦争はやめられねえ――っと、あったあった。これか。大将に聞いてた通りだな」 そうしてサーシェスがディートハルトから取り上げたのは一本の鍵。 目当ての物を見つけてにんまりと微笑んだ後に、“それ”を見上げる。 ディートハルトが主催の元から逃れる際に使用した“機体”。 ルルーシュのために力になろうと、ほか参加者を危険視し、自分が直接使用するべきではないと隠蔽しておいたMS。 そうして、こうやって手にした“起動キー”を合わせれば……そう、“それ”はサーシェスのものとなる。 笑いが止まらない。思えば満足の行く装備を持って戦えたことなどなかった。それはそれで制限プレイのようで楽しいものだったが――。 ゴキゲンにサーシェスは高らかと、再び自分のもとに舞い戻った愛機に対して呼びかけを行う。 「――――さあ、頼むぜ。楽しませてくれよ、アルケー……!」 【勇侠青春謳・劍撃ノ参<諧謔>――了】 ■ ■ ■ このようにして、一人の放送屋が消えて、一人の戦争屋が舞台へ戻った。 笑う哂う藁藁う。戦争屋の声が響く。死に死に死に死ぬ死体は何も語らない。 そんな音声を背景に、こうして幕間の喜劇は閉じた。 【 ACT3 『勇侠青春謳(ゆうきょうせいしゅんか)』――了】 時系列順で読む Back crosswise -black side- / ACT3 『勇侠青春謳(ゆうきょうせいしゅんか)』(一) Next crosswise -black side- / ACT4 『逆光(ぎゃっこう)』(一) 投下順で読む Back crosswise -black side- / ACT3 『勇侠青春謳(ゆうきょうせいしゅんか)』(一) Next crosswise -black side- / ACT4 『逆光(ぎゃっこう)』(一)
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徒物語~ももこファントム~(下)◆1aw4LHSuEI 「ぐっ……はああっ!?」 「随分、逃げ回るのが好きなんですね。阿良々木さん。格好いい台詞を吐いた割には」 いくらおもし蟹が全力で走れないといっても……僕の身体能力はそれほど高いわけじゃない。 体力の問題だってある。残念だけど、いつまでもは逃げ切れない。 ここ5Fを目前とした踊り場で、ついに追いつかれて殴られてしまった。 軽く腕を振られたに過ぎないっていうのに、僕の体は面白いほどに吹き飛ばされる。 そして、壁に激突。本日二回目だ。 隙を作ってくれればなんとかなる方法はある……と思うんだけど。 なかなかどうしてどうにもならない。 あー。 畜生。なんで僕がこんな目にあってるんだ。 胸を触ったから? それぐらいで殺すっておかしいだろ。全く。 八九寺だったら喜んで体を差し出すだろうし、羽川だって……あ、いや、ごめんなさい。 「あーあ。なにかやってくるのかと思ったら逃げ回るだけだし。もう、殺しちゃいますね。阿良々木さん」 「……嫌だ」 「は?」 おもし蟹。 それを睨んで僕は言う。 死ねない。 僕は、 誰かの重みになんて、なるわけには、いかない……! 「嫌だ、っていったんだ。……僕は、お前に殺されるわけにはいかない。 僕が死んだら忍が死ぬ。僕が殺されたら戦場ヶ原が復讐しようとするだろう。 僕が死んだら妹達が泣く。僕が死んだら八九寺を誰がかわいがってやれるんだ。 僕が死んだら、神原に誰が突っ込んでやれる? 僕が死んだら―――千石に、合わせる顔がない」 死にたくない理由だって増えた。 人間強度は地に堕ちた。 だけど、 これが、強くなるってことなんだ。 だから、僕は、春休みなんかより、 きっとずっと、強くなった……! 「―――僕は、死ねない。僕は死なない。お前なんかに、殺されて、やれないんだ」 「……知ったことじゃないですよ。私は私の理由で阿良々木さんを殺します」 そう言って。彼女は手綱を振り上げる。 その一瞬に考える。 あの蟹に正面から攻撃されたら痛いだろうな。 違う。 あれは不可抗力なんだって! そうだけど、違う。 戦場ヶ原、愛してる。 今、考えるべきはそれじゃない。 彼女が、僕に執着する本当の理由は―――。 そうだ、 そういえば、 それだ。鍵は。 「待てよ」 僕は平沢を制止する。 「何ですか……?」 これで待ってくれるって、ほんと結構素直な子だな、なんて思いながら。 僕はふらつきつつも立ち上がって、デイパックからそれを取り出した。 「これ、欲しいんだろ」 「…………!」 反応から見ると、やっぱりそれなりに興味は引けるらしい。 彼女の姉のギター(名前は忘れた)。 はっきり言って重い。 邪魔だな、うん。 「ほら、やるよ……!」 だから、思い切り平沢に向かって投擲する。 ①振りかぶって――②下半身の力を上半身に乗せて――③腕を振りぬく! 阿良々木流投球術はあまり上手くいかないことが多いんだけど、今回の結果は悪くない。 ぐるぐると回転しながら、ちゃんと平沢に向かって一直線に飛んでいった。 「え、わ、あれ? きゃっ」 なんとか、それをキャッチする彼女。 それでいい。 そのために手綱から両手を離した。 そう。これだけやられれば分かる。あの手綱を使って蟹を操っている。 だから、手を離したこの瞬間―――おもし蟹は動きはしない! 腕を振りぬいたポーズからすぐに僕は走る! この一瞬だ。 この一瞬だけ、僕には勝機がある! おもし蟹の目の前まで走り、そして目を丸くしている平沢を押し飛ばす。 「わっ」 なんかまた柔らかいところに手が触れたような感触がしたけど、きっと気のせいだ。 平沢が離れた蟹はじっとしている。 だけど、ここで完全に動けなくする! そして、僕はその場でデイパックをひっくり返した。 「どジャアア~~~ン!」 テレビパソコン冷蔵庫ピアノエアコンテーブル食器棚本棚電子レンジベット勉強机椅子電気スタンドスコップ竹箒 柱時計回転椅子ソファホットプレート柔らかいクッション箪笥ストーブ広辞苑六法全書ラジカセ靴箱蝙蝠傘肖像画 DVDデッキパソコンラックゲコ太のストラップオーブン包丁優勝トロフィー脚立自転車草刈り機全自動卵割り機 エトセトラ! 最後に、ポンと転がるようにエトペンが飛び出してくる。 それら、僕が何かに使えるかもしれないと民家から拝借した家電・家具の類が、全ておもし蟹の上に積み重なっていく。 セイバーに変な目で見られながらもかき集めた甲斐があったってものだ。 ……こんな使い方を想定してたわけじゃないけど。 しかし、思った以上に多すぎる。一気に出すとこんなことになるのか。 ……おもし蟹は、もう身動きできないだろうけど、僕と平沢も壁際まで押し出されることとなる。 やばい、ちょっとやりすぎた。 内心の動揺を隠して僕は冷静に平沢に語りかける。 「……さて、お前の頼りにしてた蟹は潰しちゃったけど。どうする、まだやるのか?」 「――――。……あ、当たり前です! 死ね死ね死ねっ!」 「っ!」 少し呆然としていたようだけれど、彼女はすぐに怒りの色を見せた。 そして、彼女は殺意を持って右手を振る。 ―――ギミックヨーヨー。 僕は、名前なんて知らないけれど。 確かな回転数と、仕込まれた刃を持って命を奪う凶器。 それが、僕の脳天に目掛けて飛んでくる。 勿論、命中すれば命はないし、使用者の意志で軌道を変更できるので回避も困難だ――― ―――避けられない! ずしゃずしゃずしゃり! 刃は僕の肉を切り裂いていく。 痛みが走り、血が、肉が、飛び散る。 「いってえ……」 「―――え?」 ―――だから、僕はそれを左腕で掴んだ。 そもそもヨーヨーは距離が使用者から離れるほどに回転数・速度が上がる。 それを元にしたこの武器の威力も、使用者から離れるほどに上がるのだろう。 だから、こんな至近距離で放てば威力も速度も大したことはない。 唯の高校生に過ぎない僕が受けられるぐらいには。 ……何てことは後付の理由で、必死になって左手を出したら偶然収まっただけなのだけど。 ギミックヨーヨーは僕の左手に刃を突き立てる。 手のひらを刃が貫通して血が流れる。 だけど、僕はやせ我慢が得意なんだ。 もう、離さないように、ヨーヨーを強く、握り締める。 歯を食いしばって耐えて、平静を装い、言った。 「平沢、それがお前の答えか」 「あ、あ、あ……」 彼女の右腕はギミックヨーヨーが装着されている手袋。そして、左腕には姉のギター。 どちらも、即座に放り出すことは出来ない。 チェックメイト。 この距離この状況。 片手の開いている僕の勝ちだ。 「―――残念だ」 ズガンッ! 乾いた音。 勝利の合図は、そんな安っぽいものだった。 卍 卍 卍 「愚かな。サーヴァントに任せておけば、私を打破する手段はまだあった。 それを左腕一本と引き換えに棄てるとは。よほど彼我の戦力差が理解できぬか」 「ただ勝利しても意味がない。……俺が主導権を握れるように勝たねばならないからな」 ルルーシュは笑い、荒耶は笑わなかった。 ルルーシュは、セイバーに「荒耶宗蓮の左腕を切り飛ばせ」と命令をした。 出来るだけ確実な方法で、と付け加えることも忘れず。 そうしてセイバーはそれを実行する。 本人にすら思いつかないかもしれない、最高にそれを叶える方法を持って。 確かに左腕は荒耶の戦闘における中核をなしている。 攻撃、防御とも起点はまず仏舎利を埋め込んだ左腕である。 確かに、それが無いと言うのなら、荒耶の能力は大きく減衰したと考えても良い。 しかし、それでも武装した兵如きなら圧倒できる。 ここから、どうしようというのか。ルルーシュ・ランペルージ。 「……こうするのさっ!」 そう言ってデイパックよりルルーシュが取り出したのは、ミニミ軽機関銃。 軽とは名ばかりの重厚さ。人に命中すれば唯では済まないだろうその威力。 無論、左腕に存在する仏舎利の加護を失った魔術師とてその例外ではない。 ―――命中すれば、だが。 「―――そんなもので、魔術師を殺せるとでも思ったのか、ルルーシュ・ランペルージ」 「…………ちっ!」 早い。 サーヴァントにこそ及びはしないが、この魔術師とて動乱の時代を生き延びている。 放たれた拳銃の弾丸を撃たれた後から躱すことのできるこの男。 使い慣れない銃など、取り出している間に間合いを詰めることなど造作もない――! ルルーシュは慌てた様子で下がろうとするが、そんなことを許されるはずもない。 「、王顕」 結界に捕らえられて体が動かなくなる。 「くっ……!」 「さらばだ。ルルーシュ・ランペルージ。愚かな男よ」 そう云って、右腕を胸に突き刺そうと振り上げるその瞬間、 ルルーシュ・ランペルージは唇を吊り上げて微かに、だが確かに―――哂った。 攻撃に移るその一瞬、荒耶はルルーシュと目を合わさざるをえない。 それは、確実に急所を捉えるために、一撃必殺の為には仕方の無い犠牲であった。 無論、魔術師荒耶宗蓮とてそれは理解している。 その上で、ギアスがかかろうとも問題がないと判断したのだ。 荒耶宗蓮はこの場にいる参加者の能力、その制限を把握している。 そのため、ギアスは本人が死亡すれば無効となることを、知っている。 この一瞬の間に例えルルーシュに何を言われることがあっても、この拳を途中で止めることは出来ない。 慣性と体の覚えた経験により、技は放たれる。 その拳に貫かれれば、所詮は一般人でしかないルルーシュは即死する。 ならば、どのようなギアスだろうと、関係はない。 撃ち貫くのみである。 そして、ギアスが紡がれる。 「―――お前は魔術を使用するな!」 「―――承知した」 その言葉に従い荒耶の纏っていた結界が消える。 と、同時に荒耶より一瞬消えゆく意識。 しかし、練り上げられたその体は意識の有無ごときでは止まらない。 鍛えられた肉体は覚えた型のまま技を繰り出す。 いや、だがしかし、確かにその速度は先程よりも僅かに―――鈍い。 ルルーシュの体は自由になり、攻撃速度も落ちた。 しかし、それだけで達人の一撃を回避し切ることなど、やはりルルーシュには不可能だ。 精々が右腕を割り込ませて攻撃から胸をかばうぐらいが関の山。 そんな程度では、結果としてはさほど変わらない。 「が、あああああああっ!」 受けた腕は砕け、その力は体にも伝わり、回転しながらルルーシュは床に叩きつけられ。 バウンドし、コンピュータを薙ぎ倒して、やっと動きが止まる。 凄まじい衝撃。 完全に意識を失い、無様に地に倒れ伏せた。 ―――だが、死んでいない。 「……なるほど、おまえの余裕はそこにあったのか」 意識の戻った魔術師は、伏せるルルーシュに目を向ける。 倒れた彼のマントが肌蹴て、そこから下に来ている服が見えた。 それを見て、荒耶はルルーシュの態度を合点する。 『歩く教会』 ルルーシュ一行が、ホール平和の広間にて手にした『服』。 荒耶の得意とする三重の結界のように、教会という結界そのものを小型、軽量化して修道服として編んだ最高級の防御霊装。 主催者の一人、禁書目録が着ているものと同デザインのその品は、本来ならば荒耶の拳程度では貫けはしない。 だが、ここにも制限がある。 防御性能は大幅に下げられて、拳銃や包丁の単純な攻撃程度なら防げるが、それ以上の威力、刀やショットガンのような武器相手ではダメージを軽減するだけに終わる。 この黒い魔術師の拳の威力は拳銃や包丁の比ではないのだ。 命こそ拾ったが、暫くは立ち上がることが出来ないだろう。 荒耶は苦悩の顔を変えず、ルルーシュに近づく。 何をされたのかは不明だが、まずは、己にかけられたギアスを解除しようと、そう考えた。 歩く教会の防御範囲に露出している範囲は含まれない。 顔を攻撃すれば絶命させることは容易だろう。 ―――しかし、左腕を接合するためにまたしても工房に行かねばならないだろうな。 今度はなんと口実をつけるか―――。 ぬ? ずるり、と。 荒耶宗蓮の体がずれる。 ―――上半身と、下半身が分断された。 先ほどの斬撃ですら比ではない。 圧倒的な熱量を持って、切り裂かれる。 仏舎利の加護すら失った魔術師は。 耐える術など持ち合わせていない。 これ、は―――。 「そうか。おまえの能力は、意識されなくなること、であったな」 影のように静かに。 東横桃子はデスサイズを携えてそこにいた。 卍 卍 卍 荒耶宗蓮は分断され地に倒れ。 東横桃子は、それを黙ってじっと見ていた。 小型ビームサイズ。 それこそが平和の広間に存在した『武器』。 この武器はただガンダムデスサイズの持つビームサイズを小型化したものではない。 重さは物干し竿と同程度にしかなく、普通の人間でも振り回すことが出来る。 その分、柄の部分の強度は下がってしまったし、ビームの持続時間は5分間と短い。 しかし、GN粒子によるチャージ機能がつけられており1時間程度で再利用が可能となるという優れもの。 その威力は静止の起源を持ち、半ば不死ともいえる荒耶をあっさりとバターのように切り裂くほど。 本来はMSを破壊するためのモノで、人間相手に使用すれば、そうなることはある種必然であったが。 命が、失われていく。死が、与えられていく。 魔術師は、自らの運命を悟り、東横桃子に呪いを与えようとする。 自分の意識からすら外れたこの少女に。自分を死に導くだろうこの少女に。 言葉を贈るのもまた、一興かと、考える。 奇しくもそれは、青崎燈子が荒耶宗蓮に、死の直前に残そうとしたものとまた、同じものであった。 「最後に教えよう。―――おまえの起源は“孤独”だ。東横桃子」 静かな部屋に男―――荒耶宗蓮の声が響く。 語りかけられたのは女―――東横桃子。 しかし彼女はじっと彼を見詰めるだけで、それに応えようとはしない。 「―――そう、おまえは元より誰とも交わることのない人間だ。それ故、おまえは他人に求められない。他人を求めようとはしない。 父や母といった肉親でさえ―――おまえには無関心だ。そして、自身もまた肉親に対し無関心だった。 友人が、教師が、肉親が、当然のように与えるはずの情を―――おまえは知らない “それ”を、疑問に思ったことはなかったのか。辛いと感じたことはなかったのか。 ―――あろうはずもない。“それ”こそが、おまえの起源であり、何よりも自然な状態であったのだから」 ぎり、と。 歯をかみ締めるような音が聞こえる。 それは、聞く必要の無い死にぞこないの言葉だったはずだ。 だというのに、どうしてだろうか。 この言葉は、妙に心に訴えかける。 東横桃子には起源が何なのかなど分かりはしない。 そのような知識などはない。 だが、言葉に思い当たる節でもあったのか。 必死で表情を、心を殺していた。 「だから―――」 「む」 「―――だから、それが、私にとって、何だっていうんすか……。 起源とか、そんな話は知らない。私は、私は絶対に先輩を生き返らせる―――!」 きっと、答えてはいけなかった。 その問いに魔術師は不快な様子を見せる。 「死者蘇生―――それがおまえの望みであったか。 ――――愚かな。 無意識ながらも起源を自覚し、利用しているおまえが。今更、何を求めようというのだ。 おまえには最初から、絆などと呼べるものは存在しない―――」 「うるさい。五月蝿い煩いうるさいっ!」 否定する。 桃子は荒耶の言葉を否定する。 それを認めてしまえば、きっと。 東横桃子は、もう東横桃子でいられなくなってしまう。 荒耶はそこに漬け込むように言葉を続ける。 「私は、先輩が……。先輩だって私を……っ!」 「認められぬか、東横桃子。おまえの起源を。だが、それでもおまえは辿り付かない。 おまえが望んだものは、最初から、偽りだったのだから―――」 「違う!」 ぐさり、と。 果物ナイフが荒耶の胸に刺し込まれる。 ビームサイズの効果時間は切れた。 そんなときのため、受け取っていたものだ。 そんな安っぽい武器とも言えぬようなものが。 荒耶宗蓮に止めを刺す。 「私自身とか、両親とか、クラスメイトとか。そんなのはどうでもいいんすよ」 静かに、瞳から涙を流しながら桃子は応える。 「でも、私は本当に先輩が好きだ。だから、私を見つけてくれて嬉しかったっす。一緒にいてくれてすごく楽しかったんすよ……! 起源とか、そんなことはどうでもいい。例え、この世の全てが嘘だって、この気持ちだけは偽れない。 だから、 私は―――お前を殺す。 みんなを殺す。―――そして、先輩を必ず……」 それは決意表明だった。 それは勝利宣言だった。 それは最終通告だった。 荒耶宗蓮は、その言葉に何を返すこともなく。 目を見開いたままで絶命した。 卍 卍 卍 夢を、見ていた。 それはありえない平穏の日々。 当たり前のように気を許せる隣人と笑い会える。 毎日のように豊富で美味な食事が出る。 人々が、幸せそうに平穏に暮らしている。 でも、きっと。 それはただの夢だった。 私のようなものが。 自分の統べた国すら救えなかった私が。 見ていいような夢じゃ、なかったのだ。 厳しくも優しい赤い少女がいた。 陽気で快活な虎を想起させる女性がいた。 残酷で純粋な白い女の子がいた。 愚直で誰よりも近しく感じた少年がいた。 ―――シロウ。 私は、貴方をどう思っていたんだろう。 貴方に否定されて、悲しかった。 貴方だけは分かってくれると思っていたから。 でも。それも夢だった。 私の夢は、決して叶うことはないのだろうか。 そんなことはない。 そう、信じたい。 いつか、この果てなき世界のどこかで。 私の答えが、見つかると信じていたい。 白く。世界が染まる。 真っ白に閉じていく。 だけどまだ、あと少し。 一言、言い切るぐらいの時間は残っている。 そんな時に、最後に思うのは。 きっと……。 そうだ。最後に、一つだけ伝えないと シロウ―――――貴方を…………。 卍 卍 卍 きらきらと輝いて。 光の欠片が大気に踊る。 刃の付きたてられたセイバーは。 その鎧も、髪も、頭からつま先まで余すところなく。 光へと返った。 それはとても幻想的な光景で。 僕にはそれが現実なのか。 一瞬、自信がもてなくなる。 セイバーの全てが分解されきった後。 乾いた音を立てて。 戒めの象徴である首輪がその場に落ちた。 僕はそれを、ただ静かに見ていることしかできなかった。 あの後、平沢を倒してからすぐに、上のほうから轟音が聞こえてきた。 何かあったのかと、急いで階段を上ろうとしたが、ぶちまけた家具が邪魔で仕方がない。 出来るだけ手早く詰めなおして、7Fまで走ってきた僕の目に映った光景が。 それだった。 「―――セイ、バー……?」 「あれ、キタローさん?」 気高かった少女はその言葉に答えることはない。 代わりに彼女にナイフを突き立てていたあいつが、こっちを向いた。 ルルーシュとともに出会ったばかりのこのゲームの参加者。 久しぶりに突っ込みをさせてくれた愉快なやつ。 だけど、その雰囲気はさっきまでとはまるで違う。 平然としているのに、泣いているようで。 どこか、他人を拒絶するような、希薄な雰囲気が漂っていた。 「……今の何だよ、東横。セイバーに何をしたんだ!?」 「さあ……普通にナイフ刺しただけなんすけどね」 私もちょっとびっくりしてるんすよ? と、東横は軽く答える。 「ナイフで刺した、って……」 「ああ。私、優勝狙いっすから。……そっちこそゴスロリさんはどうしたんすか」 「ゴスロリ……平沢と、仲間だったのか?」 「ええ、まあ」 「……あいつなら、僕が倒した」 「……そうっすか」 事も無げに言う彼女はぐるりと周囲を見渡す。 それにつられて僕も辺りを見回した。 よく見れば、パソコンやコンピューターでその殆どを占められたこの部屋は傷跡でいっぱいだった。 コンピューターは破壊されていて、無事に使えそうなものなどありそうも無い。 壁や床、天井にまで何かがこすれたような後。 そして気付く。 倒れていたのはセイバーだけでない。 コンピューターをなぎ倒して、ルルーシュが倒れていた。 その、二、三歩程前に体が真っ二つになった見知らぬ男。 二人とも、ぴくりとも動きはしない。 「ちょっと……待ってくれよ。何だよ、これ……」 分からない。 想像の範囲外すぎて、理解が追いつかない。 東横が、こんなことをしたのか。 一人で? いや、平沢と仲間で? みんなを……殺した? セイバーを? ルルーシュを? 見知らぬ男を? どうやって? ていうか、この男は誰だ……? 「ああ……待つならもう少し待って欲しいんすけど」 「え?」 「だって、もうすぐ放送っすから」 冷静に告げる彼女を見て、ますます混乱する。 誰かが慌ててると逆に冷静になる、っていうのの逆パターンか。 だけど、東横の言葉で、一つ思い出す。 そう、もう放送の直前だということに。 僕はそれにどう答えるべきなのか、少し迷う。 ああ、わかったと妥協するか。 いや、殺人者を少しでも放っておけないと取り押さえるか。 しかし、時間は待ってはくれず。 第二回放送は始まった。 【荒耶宗蓮@空の境界 死亡】 【セイバー@Fate/stay night 死亡】 【D-5/政庁7F・情報管理室/1日目/昼(放送直前)】 【阿良々木暦@化物語】 [状態]:疲労(大)、全身に打ち身(治癒中)、左手に大きな裂傷(治癒中) [服装]:直江津高校男子制服 [装備]:なし [道具]:デイパック、支給品一式、ギー太@けいおん! (適当に回収したため何が残っているかは不明、後の書き手にお任せします) [思考] 誰も殺させないし殺さないでゲームから脱出。 基本:知り合いと合流、保護する。 0:……わけがわからない。 1:東横から話を聞きたい。 2:放送を聞く。 3:戦場ヶ原、八九寺、神原と合流したい。他にも知り合いがいるならそれも探す。 4:憂をこのままにはしない。 5:……死んだあの子の言っていた「家族」も出来れば助けてあげたい。 6:支給品をそれぞれ持ち主(もしくはその関係者)に会えれば渡す。 7:千石……八九寺…… 8:太眉の少女については……? [備考] ※アニメ最終回(12話)終了後よりの参戦です。 ※回復力は制限されていませんが、時間経過により低下します。 【東横桃子@咲-Saki-】 [状態]:ステルス解除、疲労(中) [服装]:鶴賀学園女子制服(冬服) [装備]:FN ブローニング・ハイパワー(自動拳銃/弾数15/15/予備45発)@現実、果物ナイフ@現実(現地調達) [道具]:デイパック、基本支給品(-水1本)、FENDER JAPAN JB62/LH/3TS Jazz Bass@けいおん!、通信機@コードギアス反逆のルルーシュ 蒲原智美のワゴン車@咲-Saki-(現地調達)、小型ビームサイズ@オリジナル(現地調達) [思考] 基本:加治木ゆみを蘇生させる。 0:放送を聞く。その後、阿良々木をどうにかする。 1:ルルーシュを利用し(利用され)、優勝する。 2:もう、人を殺すことを厭わない。 3:覚悟完了。ステルスを使う時は麻雀で対局相手の当り牌を切る時の感覚を大事にする。 4:先輩が好きだ。それだけは譲らない。 5:そういえば、魔術師さん生け捕りにしろって言われてた。……どうするっすかねー。 [備考] ※登場時期は最終話終了後。 ※カギ爪の男からレイに宛てて書かれた手紙は中身を確認せずに破り捨てました。 ※荒耶宗蓮が主催者側の魔術師である事を知りました。 ※自分の起源を知りました。 【蒲原智美のワゴン車@咲-Saki-(現地調達)】 咲-Saki-22話にて。鶴賀学園麻雀部部長蒲原智美の運転したらしいワゴン車。 パスワードは「wahaha」 【GN小型ビームサイズ@オリジナル(現地調達)】 平和の広間にて回収された、ガンダムデスサイズのメイン武装を小型化したもの。 軽量化に成功しており、女性でも振り回せる。その分、柄の強度は下がってしまったが。 連続稼動時間は5分間だが、GN粒子を蓄えるように仕様の変更が行なわれているため、1時間ほどで再起動可能。 しかし、擬似GN粒子が漏れているため、細胞障害を起こす可能性もある。注意。 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス反逆のルルーシュR2】 [状態]:疲労(大)、右腕の骨折、気絶中 [服装]:歩く教会@とある魔術の禁書目録、ポンチョのようなマント@オリジナル(現地調達) [装備]:ゼロスイッチ(仮)@コードギアス反逆のルルーシュR2、CDプレイヤー型受信端末、リモコン、イヤホン@現地制作、 [道具]:基本支給品一式、ゼロの剣@コードギアス反逆のルルーシュR2、ミニミ軽機関銃(183/200)@現実 、 ゼロのマント@コードギアス 反逆のルルーシュR2、“狐”“泥眼”“夜叉”の面@現実、 サクラダイト爆弾(小)×9、サクラダイト爆弾(灯油のポリタンク)×2@コードギアス反逆のルルーシュR2、 盗聴機、発信機×9@現地制作、単三電池×大量@現実、通信機×5@コードギアス 反逆のルルーシュ アッシュフォード学園男子制服@コードギアス反逆のルルーシュR2、USBメモリ@現実(現地調達)、阿良々木暦のMTB@化物語、 [思考] 基本思考:枢木スザクは何としても生還させる 1:荒耶宗蓮から情報を聞き出したい。 2:駅に向かったというスザクと合流したい。 3:東横桃子、平沢憂と行動を共にする。 4:殺しも厭わない。東横桃子、平沢憂、スザク、C.C.、ユフィ以外は敵=駒。利用できる物は利用する。 5:スザク、C.C.、ユフィと合流したい。 6:南側の施設(ホール、タワー)を調査した後、政庁に向かう。 7:偽ゼロの放送を利用して、混乱を起こし戦いを助長させる。 8:“金で魔法を買った”というキーワードが気になる。 9:首輪の解除方法の調査、施設群Xを調査する? [備考] ※R2の25話、スザクに刺されて台から落ちてきてナナリーと言葉を交わした直後からの参戦です。 死の直前に主催者に助けられ、治療を受けたうえでゲームに参加しています。 ※参加者が異なる時間平面、平行世界から集められている可能性を考察しています。 ※モモから咲の世界の情報を得ました。主要メンバーの打ち筋、スタイルなどを把握しました。 ※自分のギアスも含めて能力者には制限が掛っていると考えています。 ※おもい蟹が怪異たる力を全てルルーシュに預けました。どんな力を使うかは後の人にお任せします。 ※モデルガン@現実、手紙×2、遺書、カギ爪@ガン×ソード、皇帝ルルーシュの衣装@コードギアス反逆のルルーシュR2、 シティサイクル(自転車)、ジャージ(上下黒)、鏡×大量、キャンプ用の折り畳み椅子、消化器、ロープ、カセットコンロ、 混ぜるな危険と書かれた風呂用洗剤×大量、ダイバーセット、その他医薬品・食料品・雑貨など多数@ALL現実 揚陸艇のミサイル発射管2発×2機、ミサイル×4発@コードギアス反逆のルルーシュ 現在支給品バッグに入れています。 ※揚陸艇の燃料…残り10キロ分 (E-5に放置されています) ※荒耶宗蓮が主催者側の魔術師である事を知りました。 ※Fー7ホールの平和の広間にてUSBメモリを入手しました。 【歩く教会@とある魔術の禁書目録】 法王級の防御礼装。あらゆる物理、魔術的干渉を吸収する。 しかし、その能力は大幅に制限されてしまっている。 デザインはインデックスが本編で着ているものと同じ。 しかし、誰でも着れるように御使堕し(エンゼルフォール)時の青髪ピアスのようなフリーサイズのものである。 ※荒耶宗蓮とセイバーのデイパック、及びその装備品は回収されず、床に落ちています。 卍 卍 卍 「あぁぁああぁああぁあー……もう、殺す殺す殺すッ!」 物騒な声が、他に人影のない踊り場で響く。 平沢憂。 殺し合いに飲まれた殺人鬼の少女。 あの後、頭を殴られて気絶した後、目が覚めてみれば、洗濯紐で縛られていた。 敗北の証。 ……まあ、それはいい。 平沢憂は妥協する。 一応、自分のやったことは理解しているのだ。 拘束されるぐらいはやむなし。 むしろ、それぐらいで済んだことを感謝すべきかもしれない。 相も変わらず甘い、あの阿良々木暦に。 しかし、 何ゆえ、 何ゆえ、亀甲縛りなのか?! なんか、動くと変なところに食い込んで……ああ、もう! ちょっと変な気分に……。って、そんな場合かー! 「殺す殺す殺すぅ……絶対に、殺してやるっ!」 じたばたと暴れてみるものの拘束は解けず。 ますます阿良々木暦に対する怒りは募るばかりだった。 【D-5/政庁4-5F間の階段踊り場/1日目/昼(放送直前)】 【平沢憂@けいおん!】 [状態]:健康、拳に傷、重みを消失、いらいらタイム、亀甲縛り(神原直伝) [服装]:ゴスロリ@現実、洗濯紐@現地調達 [装備]:ギミックヨーヨー@ガンソード、騎英の手綱@Fate/stay night、拳の包帯、おもし蟹@化物語 [道具]:基本支給品一式、日記(羽ペン付き)@現実、桜が丘高校女子制服、カメオ@ガン×ソード、 COLT M16A1/M203(突撃銃・グレネードランチャー/(20/20)(1/1/)発/予備40・10発)@現実、 包帯と消毒液@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor、双眼鏡@現実(現地調達) 通信機@コードギアス反逆のルルーシュ、遠坂凛の魔力入り宝石@Fate/stay night×10個 [思考] 基本:ルルーシュとバンドを組みたい。皆を殺す。阿良々木さんはもう絶対殺す。 0:とにかく、拘束をなんとかしたい。 1:ルルーシュさんの作戦、言う事は聞く。お姉ちゃんは無理には殺さない。 2:モモさんはルルーシュさんが仲間だと言っているので殺さない。 3:阿良々木さんをブチ殺して、お姉ちゃんのギー太を返して貰う。 [備考] ※ルルーシュの「俺を裏切るなよ」というギアスをかけられました。 ※中野梓についていた「おもし蟹」と行き遭いました。姉である平沢唯に対する『思い』を失っています。 ※ルルーシュがデパートから回収した雑貨の中から双眼鏡を受け取りました。 ※おもし蟹は大量の家具、家電等で押しつぶされています。そのダメージがどの程度かは次の書き手に任せます。 卍 卍 卍 荒耶宗蓮の肉体は死んだ。 体を両断されて、胸にナイフを突き立てられ、どうしようもないまでに、死んだ。 だが、荒耶宗蓮はそれだけでは終わらない。 そう、予備の肉体さえあれば、この魔術師は意識を移し生き延びることが出来る。 用意周到なこの魔術師が……保険も容易していないわけがない。 そうだ。それは、予備の体は、存在する。 だが……そんなことを主催者側が許すのか? 一度しかない命を奪い合うから面白い。そうではないのか。 主催者の一員だからと、そこで特別扱いはしない。 違うか。 然り。 しかし、気付かれなければいい。 それが、荒耶宗蓮の予備の体だと、気付かれなければ、いい。 使わないで済むのなら、それに越したことはなかったのだろうが。 この期に及べば仕方はない。 そう。それはもう登場している。 我らの前に、登場している。 君ももう、知っているはずだ。 誰の意識もない。人形のような体で。荒耶の予備とはとても思わない肉体を。 そう。 それは―――『蒼崎橙子の人形』である。 【荒耶宗蓮@空の境界 蘇生】 【荒耶宗蓮@空の境界】 [状態]:新しい体への適合中 [服装]: [装備]: [道具]: [思考] 基本:式を手に入れ根源へ到る。しかし今は参加者たちを扇動する 0:新たな体に適合する。その後、状態の把握。 1:殺し合いが動きやすくなるようにする。 2:必要最小限の範囲で障害を排除する。 3:機会があるようなら伊達政宗を始末しておきたい 4:利用できそうなものは利用する。 5:会場の結界を修復する ※首輪はダミーです。時間の経過と共に制限が緩んでいきます。 ※B-3の安土城跡にある「荒耶宗蓮の工房」に続く道がなくなりました。扉だけが残っており先には進めません。 ※D-5の政庁に「荒耶宗蓮の工房」へと続く隠し扉があります。 ※蒼崎橙子の人形は、荒耶に適合するように改造がしてあります。その詳細はのちの書き手に任せます。 時系列順で読む Back 徒物語~ももこファントム~(上) Next 疾走する本能(前編) 投下順で読む Back 徒物語~ももこファントム~(上) Next 疾走する本能(前編) 163 徒物語~ももこファントム~(上) 平沢憂 177 状況説明と亀甲縛りの構造に関する考察 163 徒物語~ももこファントム~(上) ルルーシュ・ランペルージ 177 状況説明と亀甲縛りの構造に関する考察 163 徒物語~ももこファントム~(上) 東横桃子 177 状況説明と亀甲縛りの構造に関する考察 163 徒物語~ももこファントム~(上) 阿良々木暦 177 状況説明と亀甲縛りの構造に関する考察 163 徒物語~ももこファントム~(上) セイバー GAME OVER 163 徒物語~ももこファントム~(上) 荒耶宗蓮 175 H and S.